【ライブレポート】超特急、4万人の8号車と飾った有終の美!Kアリーナでツアーに幕、美しい涙で見つめた“レールの先”の夢
超特急が8月27、28日の2日間、神奈川・Kアリーナ横浜で全国ツアー「超特急 BULLET TRAIN Spring tour 2024 “Rail is Beautiful”」の追加公演を開催した。 【写真】さながらミュージカル!“超特急劇場”で描かれたドタバタラブストーリー ■ 4万人規模の追加公演、8号車に見せる“有終の美” 「Rail is Beautiful」は、4月の東京・J:COMホール八王子公演を皮切りに、全国9会場で15公演が行われたツアー。Kアリーナでの2DAYSはツアー全公演のチケットが即日完売したことを受けて決まった追加公演で、超特急が2022年8月に9人の新体制になって以降、最大キャパシティのワンマンライブとなった。両日ともに平日というスケジュールにもかかわらず、チケットはソールドアウト。2日間合わせて約4万人の8号車(超特急ファンの呼称)が会場に駆けつけ、超特急の9人とかけがえのないひとときを共有した。 超特急のワンマンライブではおなじみ、リーダー・リョウガによる開場中の影アナウンス。ハルとアロハにくすぐられながら諸注意を告げた彼の声に、客席の期待感はみるみる高まっていく。開演と同時にステージを覆っていた紗幕が落ち、ビジョンいっぱいに花が咲き誇るフラワーウォールが映し出されると、その奥からメンバーが姿を見せた。百花繚乱のフラワーオブジェの前でポーズを取る9人は、ドレスシャツとそれぞれのメンバーカラーを基調としたジャケットに身を包み、眼前に広がるペンライトの光の海を見つめる。そんな彼らの柔らかな笑みが2号車のカイから順にクローズアップされると、大きな歓声とともに光の海はキラキラと瞬いて輝きを増した。 “超特急の美”を体現する「Rail is Beautiful」の1曲目に届けられたのは「Yell」。「花のように咲いた君という微笑み」と歌い、人生の新たな門出に立つ“君”を「綺麗さ」と讃えるこのミドルチューンでダンサーの7人はしなやかに舞い、ボーカルのタカシとシューヤは高らかに祝福の歌声を響かせる。2曲目の「シャンディ」は「美女と野獣」の世界観をモチーフに制作された、シリアスでドラマチックなナンバー。夜の帳が下りた森をバックに、9人は張り詰めた表情と声色で“一筋の光”のような愛を探し求める。ダンサー7人が見せる完璧なシンクロと美しいフォーメーションは広いステージ上で見応えを増し、2万人の静かに熱い視線を惹き付ける。ストーリーテラーの役目を担うタカシとシューヤの声色もぐんぐんと熱を帯び、2人は曲の最終盤に情熱的なフェイクを差し込んでみせた。 「出会えて良かった この気持ちが愛なんだね」という気付きのフレーズで「シャンディ」の物語が結ばれると、温かな音色のイントロが鳴り、巡る季節をともに過ごすことを約束するラブソング「Four Seasons」へ。花弁舞い散るステージビジョンには幸福感に満ちた9人の表情が次々に映し出され、この曲でセンターを取るタクヤは客席を埋め尽くす8号車の姿を愛おしそうに見渡しながら伸びやかに、しなやかに躍動した。「Kアリーナ、ツアーファイナル! みんなと最高の景色作っていこうぜ!」というユーキの気合いみなぎる呼びかけから始まった「Magnifique」もまた、“ありのままの君”を賛美する流麗な楽曲。メンバーはステージの両端まで大きく広がり、清涼感いっぱいのサウンドに身を任せながら8号車と笑顔を交わす。「美しい君こそ 僕のプライド」というメッセージを全力の身振りで伝えた9人は、無邪気な笑みを浮かべたカイを先頭に花道を駆け抜け、センターステージで円になって楽しげにステップを踏む。超特急の楽曲群の中でもとりわけ美しいメロディが印象的な楽曲を並べ、ロマンチックに8号車への愛を表明したオープニングパートを結んだのは「a kind of love」。27日の公演ではタクヤがリョウガにキス顔を送り、リョウガは普段の“塩対応”とは正反対な彼の振る舞いに思わず驚きの表情。そんなメンバーどうしの仲睦まじい素顔が垣間見えるやりとりに客席には笑顔の輪が広がり、9人もとびきりのスマイルで“Love”のLポーズを決めた。 5曲を終え、挨拶の時間を取った9人は個性を前面に押し出した自己紹介と意気込みコメントで8号車を楽しませる。シューヤが「最強のチャラチャラ、11号車シューヤです!」とブチ上げると、キザなキャラクターを身に宿したリョウガは「Rail is?」「Beautiful!」のコール&レスポンスを起こしたのちに「(Beautifulは)お前らのことだよっ」と告げて満足げな表情を浮かべる。一方でタクヤは「『Rail is Beautiful』、テーマは“美”ということで、有終の美を飾りましょう。皆さんお力添えのほどよろしくお願いします!」と公演テーマを取り入れながらコメント。このツアーで育ててきた「タカシやで!」連発の口上をこの日も披露したタカシは「今日も1日?」「タカシやで!」「一家に一台?」「タカシやで!」とリズミカルな「タカシやで!」コールを発生させたのち、「タカシや~で!」と力強い“やでポーズ”で宣言した。 ■ 駅から始まるラブストーリー!“超特急劇場”の結末は タカシの口上と同じく、こちらもいつの間にかツアー恒例となったユーキの一発ギャグコーナーへ。彼が「グーチョキパーで何作ろ~? 右手がグーで、左手もグーで、“My Buddy”~!」と、両頬をグーの手で潰す「My Buddy」の曲中ポーズを決め、メンバーからイヤモニを通して「かわいいに逃げてんじゃねえ」とツッコミを受けていると、メインステージに現れたのは車掌姿のシューヤ。「ここ、駅のホームですから。電車来るから!」と彼がユーキに注意喚起すると、学生に扮したリョウガ、タクヤ、マサヒロ、普段着姿のカイとアロハ、サラリーマン姿のハルが次々と“ホーム”に姿を見せた。カラフルな車両“Rail is Beautiful号”にメンバーが乗り込んだのを確認したもう1人の車掌・タカシは「乗車確認、OK。8号車の皆さんの笑顔、OK。それでは出発!」と進行の合図。満員電車の憂鬱をコミカルな歌とダンスで表現する「Rush Hour」を皮切りに、9人は電車から始まる、めくるめく“愛のミュージカル”の幕を開ける。 吊り革を片手に“電車内”で踊っていた面々が降車すると、彼らの前に現れたのは真っ赤なワンピースの女性に扮したユーキ。“彼女”の可憐な姿に一目で心を射抜かれ、ラブストーリーの主人公になったのはアロハだ。タカシとシューヤの弾むような歌声響く「Pretty Girl」でユーキをステージの中央へ引き寄せたアロハは、カイ、ハルをバックにユーキとペアダンスのステップを踏み、しまいにはユーキをお姫様抱っこと熱烈なアプローチをかける。一輪の花を捧げたアロハの求愛をユーキが受け止めると、シーンは“高級フレンチレストラン”へ。ウェイター姿のリョウガ、タクヤ、マサヒロが待ち受けるステージ上段では、食事のマナーに翻弄される主人公の苦悩が「Table Manners」「panipani」の2曲に乗せて表現された。ゴージャスなブラスサウンドに乗って優雅な振る舞いで給仕を行う3人とは裏腹に、慌ただしい手つきと表情でパニックに陥る主人公を演じるアロハの見事なコメディアンぶりに客席も楽しくペンライトを振る中、“DDじゃない”誠実を誓う「Kiss Me Baby」で2人の熱烈な愛が結実した瞬間、物語は急展開。「ちょっと、アンタ本命の彼女がいるのに、何浮気してんだよ!」と叫び姿を見せたのは、オレンジのワンピースを愛らしく着こなした女の子に扮したハルだった。 “本命彼女”の登場に、待ってましたとばかりに切り込んできたのは警官姿のカイ。青い警棒を手に張り切ってアロハを取り締まる彼が導いたのは、浮気を断罪する初期楽曲「POLICEMEN」だ。なぜか四方八方のカメラにキメ顔を向ける“クセ強警官”の「浮気は許しません!」という裁きによって“本命彼女”のもとへ戻ったアロハがハルに熱烈なキスを仕掛けると、カイは「恋の事件、一件落着!」と声を上げる。過去13年のディスコグラフィを豊かに彩る、さまざまなテーマを持つ楽曲を滑らかにつなぎ作り上げられた“超特急劇場”はオールラインナップによる「ラキラキ」で締めくくられ、彼女もウェイターも車掌たちも、楽しく“ラッキーミュージック”に体を弾ませてハッピーエンドを作り上げていた。 ■ “1粒の種”が映し出した生命の躍動 「まだまだ素敵な旅は続きます。それでは出発進行!」。タカシとシューヤが再び合図しメンバーが乗り込む電車を走らせると、ビジョンには宙を駆ける豪華な客車で旅をする9人の姿が映し出された。ゲームをしたり身を寄せ合って眠ったり。思い思いに旅を楽しむメンバーを乗せた超特急が花散るワープホールをくぐり抜けると、ダマスク柄の地模様が入った純白の衣装に身を包んだメンバーが舞台上に姿を見せる。9人の真ん中に立つタクヤの右手には1粒の種子が握られており、彼がその種を地に蒔いた瞬間、「Cead Mile Failte」でライブは次のシーンへと進んだ。 フィドルの音色が鮮やかにサウンドを彩る壮大なこの曲で9人は力強く大地を踏み鳴らし、荒々しくも美しく、生命力に満ちた歌とダンスを見せる。芯の通ったタカシの歌声、思い切りこぶしを利かせるシューヤのボーカルアレンジがトライバルなムードを加速させ、2人が最終盤に聴かせたパワフルなハモリとフェイクは会場に渦巻く熱を確かに引き上げた。すると今度は雷鳴が轟き、9人体制では今ツアーが初披露となった「Beautiful Chaser」へ。“美しき追跡者”という名が付いたこのハードロックナンバーでセンターのユーキが見せたのは、狂気に取りつかれたかのような迫真のパフォーマンス。光のない鋭い目つきで舞台上をさまよい、アロハを手にかけて“醒めない悪夢”を体現してゆく彼の姿、そして燃え盛る炎の演出の中で文字通りすべてを焼き尽くすような絶望を強烈に香らせてゆく9人の姿を、2万人は息を飲むように見つめた。 そんな「Beautiful Chaser」の衝撃を洗い流すような雨音が導いたバラードナンバーの「霖雨」ではボーカルのみがステージに立ち、深い喪失を歌い上げる。流れるような掛け合いを聞かせるタカシとシューヤの声には哀切が色濃くにじみ、静かに心を揺さぶる彼らの歌声に、オーディエンスはじっくりと聴き入った。そして「Thinking of You」へと進むとステージ奥のビジョンには月夜の草原が映し出され、9人は“月明かりの下”で穏やかに歌い踊る。タカシとシューヤの柔らかなファルセットボイスが響く中、1人たおやかに躍動したのはタクヤ。感情の機微を細やかな身振りで伝えるその舞いは祈りにも似て、9人が作り出す幻想的な世界観によって夜明けの草原には美しい花々が咲き誇った。“1粒の種”をメタファーに、命の神聖な輝きが描かれた4曲の物語は、ステージ上に1輪の花が咲くシーンをもって結ばれる。その赤い花を摘み取ったタクヤはそっと花を顔に寄せ、静かに目を閉じた。 中盤のMCでは改めてKアリーナの広い客席を見渡し、集まった8号車に感謝を伝えた9人。カイの「有休取って来たよって人ー?」という問いかけに無数の手が上がると、シューヤはその多さに思わず「マジ!? 日本の経済回んねえだろ!」と声を上げた。また話題がユーキの一発ギャグコーナーに及ぶと、ユーキ以外のメンバーもギャグを無茶振りされるという“悪ノリ”が発生。流れを作ったタクヤを筆頭にハル、マサヒロ、アロハも2万人を前に即興でギャグを披露し、それぞれのアドリブにメンバーは大笑いで盛り上がる。どんな場所でも変わらない、メンバーの自由で楽しげな姿を見たリョウガは「こんな僕たち超特急、ハチャメチャですけど11月に21枚目のシングルをリリースします!」と無理矢理告知につなげ、メンバーと8号車のさらなる笑いを誘っていた。 ■ ボーカルとダンサーの輝く個性と9人の“挑発” ダンサーメンバーが舞台袖へと姿を消すと、2人で楽しそうに花道を進んだタカシとシューヤ。タカシは「今目の前にいる人、身近な存在をより大切に思える、そんな曲を用意してきました」と告げ、2人はここで壮大なラブバラード「Holtasoley」を届けた。柔らかさの中にもシャープな輪郭を伴うシューヤの凛としたボーカルと、大きな包容力を感じさせるタカシの深く温かな歌声。アリーナの中心で重なり合う2声は美しく豊かな響きを伴って大空間を震わせた。渾身の歌を聴かせたボーカル陣からバトンを受け取り、次はダンサーメンバーが躍動するダンスブリッジへ。先陣を切ってステージに飛び出したユーキが見せた洗練のアクロバットから、マサヒロのパワフルなムーブ、カイのダイナミズムあふれるダンスへ。センターステージのリョウガはオンビートでグルーヴィにステップを刻み、ハルはエネルギッシュにフロア技を決めてみせる。タクヤがセンシュアルな舞いを見せると、アロハは予測不能なフリースタイルでオーディエンスを圧倒。7つの個性が異なる輝きを放ったダンスリレーから流れるように展開した「Steal a Kiss」で、ライブは後半パートへと突入していく。 ステージのあちこちから噴出する花火がパフォーマンスをダイナミックに彩った「Steal a Kiss」では、トップギアの攻撃力を持って8号車を挑発するアロハやタクヤ、ユーキの決めゼリフに会場が何度も沸き立つ。続く「MORA MORA」にはダンスブレイクのアレンジが差し込まれ、9人は一糸乱れぬパワフルな一挙一動でオーディエンスを圧倒。確かに高まっていく熱量に感情を昂らせたシューヤはマイクを逆手に力強いシャウトを響かせた。そして、マサヒロによるダンスソロが導いた「Body Rock」では、9脚のチェアを巧みに使った蠱惑的なダンスで8号車を魅了した9人。そんな彼らが見せる官能的な世界観は「We Can Do It!」で最高潮に。レーザー光線が忙しなく飛び交う中で1列に並んだメンバーは、お互いの体の線をなぞり、顔を寄せ合いながら客席を見遣る楽曲のハイライトで8号車を熱狂の渦へと巻き込んでいた。 メンバーが次々にコール&レスポンスを先導して2万人の声を求め、「Call My Name」でライブはラストスパートへ。9色のジャケットを羽織ってカラフルに衣替えしたメンバーは横1列に大きく広がり、心踊るサウンドに体を揺らしながら「ドリーム半端ねえ!」と声を合わせる8号車の声を受け止めた。その後も「My Buddy」「Secret Express」と、8号車のダンスやコールが欠かせない楽曲たちをメドレー形式で畳みかけていく超特急。「Secret Express」でメンバーの振りに合わせ「ガッチャン!」と言う8号車の声がこだますると、ユーキは「今日イチの声聞かせてくれ、いくぞ!」とさらなるコールを求めて勢いを加速させる。センターのリョウガがヘッドバンギングを煽った「超えてアバンチュール」ののち、ムービーカメラを鷲づかみにして「お前ら盛り上がれ~!」と叫び、変顔を決めまくるタクヤの大暴れが狂騒を加速させた「SAY NO」では2桁号車の4人(シューヤ、マサヒロ、アロハ、ハル)がアリーナエリアの客席通路に飛び出して8号車のすぐ近くで声を求める。続く「Burn!」では1桁号車の5人(カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシ)も客席通路をダッシュ。そののちセンターステージで肩を組み合った9人は、声を合わせて落ちサビを全員で歌い上げた。 ■ 「常に最高更新、ホントにしてんだよ、超特急!」 「やー、ホントに今、心から楽しいです」。本編最後の曲を前に、今にも泣き出しそうな表情で切り出したのはユーキ。「今、不安とかそういう感情は一切なくて、こうして9人と8号車といつも僕らを支えてくれるスタッフ、9号車の皆さんと一緒に、こんな景色を迎えられたのが本当にうれしいです」と続ける彼の放つ語気はぐんぐんと熱を帯びていく。「だってさあ! 常に最高更新、ホントにしてんだよ、超特急! それができてるのもさ、もともといた5人、新たに入ってくれた4人、新しく(輪に)入ってくれた8号車、昔からいてくれた8号車、すべての存在がいてくれたから、このステージに立ててます!」。昂る感情をそのままに「夢、まだつかめるから。その夢に向かってこの曲を披露したいと思います!」と叫んだ彼の言葉から「gr8est journey」が届けられると、9人は全身全霊の歌とダンスを8号車に見せ、晴れやかな表情で“レールの先”を差し示す。最後まで全力で汗を光らせる9人と笑顔を分かち合う8号車もまたフルパワーのシンガロングで超特急のパフォーマンスを彩り、大きな一体感に包まれたKアリーナ。最上層の8号車を見上げて手を振り、何度も「ありがとう!」を伝え舞台奥へと消えていく9人の後ろに立つ大樹には、メンバーカラーの9色と“8号車カラー”のピンク色の花々が咲き誇っていた。 元気いっぱい、熱量MAXな8号車の「超特急!」コールに導かれ、アンコールのステージに飛び出した9人は「まだまだ騒ぎ足りないよな!」と告げ、この季節のライブには欠かせない「Summer love」でKアリーナを夏色に染め上げる。広大な舞台を遊び尽くそうと、メンバーは普段よりもオーバーな動きで駆け回り、シューヤは「お前らツアー楽しかったかー!?」と8号車に問いかけ。「I love you, baby」のハイライトでは、リョウガと一緒にハートマークを作って無邪気な笑顔を浮かべた。 ■ 「僕たち超特急が、みんなの“背もたれ”になれたら」 ここで挨拶の時間を取った9人は、1人ずつ今の心境を8号車へと伝えていく。「gr8est journey」でユーキが叫んだ思いを「熱かったですね、ユーキちゃんの言葉はやっぱり!」と受け止めたシューヤは「超特急、最高更新してますね! ライブを引っ張ってくれているユーキちゃんがこんなに熱い人で、メンバーもその思いに応えらえるメンバーで僕は幸せです」と笑顔を浮かべる。「さっきも『有終の美を飾って終わりたい』と伝えたけれど、8号車のおかげで飾れそうで、今すごく幸せです」と切り出したタクヤが伝えたのは「超特急という電車にまた乗ってくれることを楽しみに待っているので」という思い。彼はじっくりと言葉を選びながら「僕たち超特急が、気持ち的にはみんなの“背もたれ”になれたらいいなと思ってます。しんどいときや苦しいときに、寄り添って、寄っかかれるような存在に」と続け、「だから、明日からも元気にいってらっしゃい!」と8号車に語りかけた。そしてハルに順番が回ると、言葉に詰まる彼の瞳にはみるみる涙が。「ここにいる8人が超特急でよかったなって」と言葉を発したハルは「当たり前じゃないことがどれだけ大切なんだろうってことが身に沁みてわかって、こうやってライブができていることも、すごくすごく幸せです。皆さんのおかげで、本当に毎日楽しく過ごせています。ありがとうございます、また会いましょう」と、涙ながらにまっすぐな感謝を8号車へと伝えた。 クセの強いリーダーによる、極限までタイトルコールをもったいぶる“茶番劇”を経てドロップされた「ジュブナイラー」では2万人の息ぴったりなコールが9人のパフォーマンスをパワフルに盛り上げ、その熱を受け取ったメンバーもまたアドレナリンを思い切り沸騰させたハイテンションな歌とダンスを見せる。“超特急の青春”を体現するこの曲でリーダーが何度も「アオハルだ!」と叫ぶと、続くラストナンバー「fanfare」のイントロではユーキが「8号車が俺たちのこと応援してくれてるように、俺たちも8号車のこと応援してるから! ひとつになりましょう!」と絶叫。9人は弾ける笑顔でセンターステージへと駆け出し、がむしゃらにひたむきに、まっすぐに8号車へファンファーレを送った。全31曲を披露し終えてもなお興奮冷めやらぬ様子のメンバーは、全力ダッシュでステージを隅から隅まで行き来して8号車に挨拶し、ユーキは連続バック転からのバック宙でも会場を沸かせる。そんな彼が最後に伝えたのは「皆さんとこうしてずっと走ってきた道のりは、振り返ってみたら本当に美しい景色だと思います」という、喜びに満ちた実感。「僕たち超特急は走り続けるので、これからも力を貸してください。これからも超特急の応援、よろしくお願いします!」。ユーキの頼もしい呼びかけに9人と2万人がレールの先の輝かしい未来を見つめたラストシーンをもって「Rail is Beautiful」の幕は下ろされる。マサヒロやタクヤ、アロハが次々に「がんばれ!」と8号車に思いを伝え舞台袖へと姿を消す中、最後に1人残ったタカシは「8号車のみんな! これからも超特急走っていくで!」と力強く約束した。 ■ アンコールのメンバー挨拶全文 □ シューヤ 帰ってきました、ピンク髪! やっと全頭ピンクになりました! ツアー、こうして駆け抜けてきたわけですけど、追加公演は平日にもかかわらず、こんなに多くの方に集まっていただき本当にうれしいです。さっきユーキちゃんが話してくれたんですけど……熱かったですね、ユーキちゃんの言葉はやっぱり! めちゃくちゃキました、僕。歌えなくなっちゃうから泣かせんじゃねえよってすごい我慢してたんですけど……超特急、最高更新してますね! ライブを引っ張ってくれているユーキちゃんがこんなに熱い人で、メンバーもその思いに応えらえるメンバーで僕は幸せですし、マジでいけると思っているので。これからも僕ら9人に付いて来てください。 □ カイ 皆さんきっと、この日のために休みを取って、この日に向けていろんな準備をして……それだけじゃなく、日々忙しなく生きてきた方もいると思います。2万人の方と配信を観てくださっている方、皆さん今日のために日々がんばって、この日を迎えたんだと思います。僕たちはそんな人たちの人生を背負ってパフォーマンスしなければいけないですし、学生さんとかでご家族が心配される方には、「ライブに行かせていい」と思ってもらえなきゃいけないし、一緒に楽しい時間を提供しなければいけないと思っています。今日、楽しんでいただけましたか? またライブ会場で会えたらうれしいです。 □ マサヒロ 超特急はこれからも皆さんに「追いかけ続けたい」と思ってもらえるアーティストになっていきます。これからもビッグニュースを楽しみにしていてください。 □ タクヤ 今日で「Rail is Beautiful」が終わってしまうということで。さっきも「有終の美を飾って終わりたい」と伝えたけれど、8号車のおかげで飾れそうで、今すごく幸せです、ありがとうございます。またライブとかね、イベントとかもそうだし、帰って来てほしいなと思います。皆さんそれぞれに人生があって、がんばらないといけない日々が続いていくと思います。超特急という電車にまた乗ってくれることを楽しみに待ってるので……なんだろう。なんというか、僕たち超特急が、気持ち的にはみんなの“背もたれ”になれたらいいなと思ってます。しんどいときや苦しいときに、寄り添って、寄っかかれるような存在に。だから、明日からも元気にいってらっしゃい! 今日はありがとうございました! □ ユーキ 今タクヤも言ったけれど、僕たち超特急が本当に生きる糧に……“生きる車両”になれたらうれしいです。(「どういうこと?」というメンバーのツッコミを受けて)あの、“生きる車両”です。うまいこと言ってるつもりだったんですけど、そうでもなかったなって(笑)。とにかく、最高の熱い仲間と最高の道を、新しい景色を求めながら走っていきますので、これからも“超特急の車両”として応援してください! □ アロハ 2万人もの皆さんがパンパンに見える景色、初めてです。僕は小さい頃からダンスをやっていて、そのときの発表会はお客さんが何百人とかだったので、2万人の皆さんの前でパフォーマンスできていると思うと「がんばってよかったな」と思います。さっきユーキくんが僕ら4人のことを言ってくれましたが、期待に応えられる4人でいたいし、その期待をさらに超えていけるような人間になりたいと思うので。もっともっと超えていって、皆さんに感謝を伝えたいと思います。 □ ハル もう、本当に……。(長い沈黙ののち)ここにいる8人が超特急でよかったなって。いろんなね、ことがあると思うんですけど。今日のユーキくんの言葉だったり、9人の思いを皆さんが受け取ってくれて、いいライブになっていると思うので。当たり前じゃないことがどれだけ大切なんだろうってことが身に沁みてわかって、こうやってライブができていることも、すごくすごく幸せです。皆さんのおかげで、本当に毎日楽しく過ごせています。ありがとうございます、また会いましょう。 □ タカシ 今素直に思うこととしては、この9人で超特急史上最大のキャパであるKアリーナに立てたことが本当にうれしいことやなって。まだまだ超特急は走っていくし、もっといろんな人を笑顔にしていかなきゃいけないと思っています。こうやってみんなを笑顔にしていくことが、超特急が求めていることだし、僕らの責任、任務だと思っています。これからも明るく太陽のように8号車を照らして笑顔にできるよう、どんどん突っ走っていきます。 □ リョウガ 「Rail is Beautiful」は、ツアーの中で驚くことがたくさんあったと思っていて。まずここに立てることもそうですし、(衣装の股部分に)クッキーくらいの穴が空いたり(笑)、ほかにもいっぱいあって……本来ひどい顔になるはずのハルの泣き顔が美しかったり、タカシの短髪が似合っていたり、いろんなね、驚きがあったんですけど。何より一番なのは、僕たちのパフォーマンスを観た8号車の方々が、僕らの美しさを感じ取ってきっとビックリしたんじゃないかな?と思っています。これからまたツアーをたくさん行っていくと思いますので、パンフレットのお買い上げ、よろしくお願いします! ■ セットリスト □ 「超特急 BULLET TRAIN Spring tour 2024 “Rail is Beautiful”」2024年8月27、28日 Kアリーナ横浜 01. Yell 02. シャンディ 03. Four Seasons 04. Magnifique 05. a kind of love 06. Rush Hour 07. Pretty Girl 08. Table Manners 09. panipani 10. Kiss Me Baby 11. POLICEMEN 12. ラキラキ 13. Cead Mile Failte 14. Beautiful Chaser 15. 霖雨 16. Thinking of You 17. Holtasoley 18. Steal a Kiss 19. MORA MORA 20. Body Rock 21. We Can Do It! 22. Call My Name 23. My Buddy 24. Secret Express 25. 超えてアバンチュール 26. SAY NO 27. Burn! 28. gr8est journey <アンコール> 29. Summer love 30. ジュブナイラー 31. fanfare 撮影:米山三郎、笹森健一