【スプリンターズS】セントウルS組は「着順」で明暗 連覇へ向け復調ムードのママコチャが最有力
主力はセントウルS組
迎え撃つ日本勢はサマースプリント王サトノレーヴ、セントウルSを勝った重賞4勝馬トウシンマカオ、前年覇者ママコチャ、悲願のGⅠ制覇をかけるナムラクレア、スピードなら負けない3歳ピューロマジックと多彩。秋のGⅠ開幕戦にふさわしい好カードだ。 外国馬はこの10年【0-0-0-3】だが、正直、香港GⅠ級は残念ながら競走中止したラッキーバブルズを除くと、いない。ムゲンは今春チェアマンズスプリントプライズ3着、ビクターザウィナーは高松宮記念3着と実績がある。さすがにサイレントウィットネスとまではいわないが、ノーチャンスではないだろう。 日本馬は前走GⅠ【2-3-1-9】勝率13.3%、複勝率40.0%だが、安田記念【2-1-1-6】が強く、高松宮記念以来は【0-1-0-1】。だが、安田記念からの距離短縮馬は今年不在だ。 中心はやはりサマーシリーズだ。まず前走セントウルS【4-3-1-44】勝率7.7%、複勝率15.4%に注目しよう。 中京のセントウルSは過去3回で【1-2-0-13】勝率6.3%、複勝率18.8%、阪神セントウルSが【3-1-1-31】勝率8.3%、複勝率13.9%なので、そこまで嫌うことはない。着順では、5着以内【4-3-1-22】、6着以下【0-0-0-22】と掲示板以内が条件になる。 今年のセントウルSは前後半600m33.6-34.1の平均ペース。ママコチャが積極的にレースを動かし、最後にトウシンマカオに差されたが、存在感を示した。休み明けでレースを支配した事実は重く、連覇へ向け復調を感じるレースだった。差したトウシンマカオの脚力を認めつつ、ママコチャを最有力にあげたい。 また狭いインを抜けたモズメイメイもシリーズ3、1、3着と完全に一時の不振は抜け出した。昨年は大敗したが、プロセスが違う。 今年、大挙出走するのが前走キーンランドC【1-1-5-37】勝率2.3%、複勝率15.9%。一時期ほど勢いがない。やはり中4週で北海道から戻って仕上げるのは簡単ではない。 着順の内訳は1着【0-0-3-5】複勝率37.5%、2着【0-1-1-3】複勝率40.0%と好走も悪くないが、ここから勝ったのはキーンランドC8着だったスノードラゴン。傾向が読みにくく、1、2着サトノレーヴ、エイシンスポッターを上げつつ、5着ナムラクレアも捨てきれない。 今年のレースは前後半600m33.6-34.3と少しだけ前傾ラップ。粘るサトノレーヴ、その背後にいたナムラクレアも休み明けで、目標を見据えた仕上げだったなら悪くはない。なお、北九州記念は今年、CBC賞と入れ替わっているので、データとしては数字通り受けとれない。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳