「長浜屋台街」にぎわい再び…福岡空港国際線に「コンシェルジュ」配置、外国人客取り込み狙う
福岡市の名物・屋台街。人気が高い天神、中洲両地区に、昨年6月に復活した長浜地区を加え「3大屋台街」として、市がPRを始め、1年になった。存続が危ぶまれていた長浜地区にも県外客の姿がみられ、新たな観光スポットになってきた。市はさらなる誘客を目指し、福岡空港国際線の観光案内所に27日午後、特設コーナーを設け、「屋台コンシェルジュ」を配置。急増するインバウンド(訪日外国人客)需要の取り込みを狙う。(林航) 【地図】長浜屋台街の位置…最寄りの駅は地下鉄赤坂駅
24日夕、市中央卸売市場鮮魚市場前の歩道にある長浜屋台街。観光案内所のスタッフ2人が開店準備の様子を見学していた。その後、屋台で実際に食事。店主に質問し、「英語のメニューもあります」「お子様連れも大歓迎です」といった話を聞き取っていた。
2人は、福岡空港の国際線ターミナルで、外国人観光客におすすめの屋台や利用方法などを紹介する「屋台コンシェルジュ」の役割を担う。そのための研修の一環で長浜屋台街を訪れていた。スタッフの峰聖子さん(51)は「屋台が福岡を感じられる場所だと改めて分かった。これまでは太宰府や中洲、大濠公園などをすすめることが多かったが、新たな選択肢として屋台の魅力を伝えていきたい」と語った。
「長浜ラーメン発祥の地」だが
天神、中洲両地区の屋台では行列ができる店が増えた。一方、長浜ラーメン発祥の地とされる長浜地区では店主の高齢化などが原因で屋台が減少し、ここ数年は1店が不定期で営業するだけとなっていた。
長浜地区は繁華街から離れていることもあり、市が2016年度から行っている屋台経営者の公募でも出店者は誕生しなかった。4回目の公募でようやく7店の出店が決まり、昨年6月から営業を始めた。
市はこの1年余り、長浜屋台街のPRに力を入れてきた。
最寄りの市地下鉄赤坂駅の階段や壁に、のれんやちょうちんをあしらった装飾を施した。期間限定でスタンプラリーやオリジナルグッズなどが当たる「屋台ガチャ」を実施。無料通信アプリ「ライン」を活用し、営業しているかどうかを確認できるシステムも導入した。市は一定の集客につながったとみている。