呉西「歩く旅」楽しんで 27年開業プレイアースパーク拠点にロングトレイル整備
●山から海まで観光誘客 ゴールドウイン子会社が構想 南砺市で2027年初夏に開業する自然体験施設「プレイアースパーク」を拠点に、呉西地区で「歩く旅」を楽しむ道「ロングトレイル」が新たに整備される。南砺市の五箇山と井波をつなぐ古道「道宗道(どうしゅうみち)」をはじめ、砺波平野や小矢部、氷見市などを通って海に至るコースを想定。風光明媚(めいび)な景観を楽しみながら、豊かな自然を満喫してもらう新機軸として、観光誘客と交流人口の拡大につなげる。 【地図】プレイアースパーク整備地 ●城端に拠点施設 施設の整備を手掛けるゴールドウイン(本店・小矢部市)子会社の「プレイアースパーク」(同市)が18日、構想を発表した。 プレイアースパークによると、トレイルのコースは関係自治体や地域、団体などと協議しながら定める。南砺市内では、世界遺産の合掌造り集落や山中を抜ける延長約30キロの道宗道、井波地区、プレイアースパークなどを結ぶコースを1案として考えており、海までつなぐと100キロ以上のルートになるとみられる。 同社が今後、賛同者と準備会や運営主体を設立し、関係団体や自治体に賛同の輪を広げる。当面はプレイアースパークが事務局機能を担い、賛同者とのコースの調査や、呉西各地での説明会を開催していく。 南砺市役所での構想説明会では富山県や呉西の自治体職員、県山岳連盟や山岳会、市内の地域づくり協議会代表ら約50人が出席した。 プレイアースパークの木村宏社長は「呉西をつなぐ歩く道を整備することで広域観光や広域連携が進む。皆さんと一緒に道をつなげたい」と語った。木村社長は長野、新潟県境を通る全長約110キロの「信越トレイル」の創設、整備に携わった経験があり、これから「歩く道」を楽しむ需要がさらに高まるとの考えを示した。 ●田中南砺市長「交流の深まり期待」 田中幹夫市長は呉西圏域の交流が深まることに期待し、「道宗道の会」の楠則夫会長は「ワクワクする道になるよう、皆で盛り上げられたらいい」と話した。 ★プレイアースパーク ゴールドウイン(本店・小矢部市)が南砺市桜ケ池公園周辺で整備する自然体験施設。構想ではキャンプサイトや農園、レストラン、ミュージアムなどを整備し、子どもらが楽しめる場所を目指す。 ★ロングトレイル 登山道や散策路、里山の道などをコースとする「歩く道」。健康志向を背景に自然や文化、歴史に触れられるとして関心が高まっている。欧米には延長1千キロを越えるコースがある。