維新代表選で立て直しなるか…吉村大阪府知事の出馬求める動き
衆院選で議席を減らした責任を問われていた日本維新の会の馬場代表が、代表選(17日告示、12月1日投開票)への不出馬を表明した。代表選は党の立て直しが争点となり、党内では吉村洋文共同代表(大阪府知事)に出馬を求める動きが出ている。 【表】馬場代表の歩み
馬場氏は6日夜、自身のX(旧ツイッター)で不出馬の意向を表明。7日午前、読売新聞の取材に「代表が責任を取るのは、組織のルールとして当たり前」と述べた。 衆院選で維新は、公示前から6減の38議席となり、全国の比例票も前回選から36・6%減の約510万票にとどまった。吉村氏や大阪府議団が代表選の実施を求め、浅田均参院議員も党の会合で「辞意を表すべきだ」と発言するなど、党内では執行部の刷新を求める声が高まっていた。 馬場氏は、今月3~6日に所属議員と首長計854人を対象に実施された電子投票で8割超が代表選実施に賛成したことを受け、不出馬を決断したとみられる。 馬場氏は堺市議出身で、2010年に橋下徹・元大阪府知事や松井一郎前代表が創設した地域政党・大阪維新の会に参加。12年衆院選で初当選し、22年の代表選で勝利して松井氏の後任の代表に就いた。昨年春の統一地方選では「地方議員600人以上」の目標を達成し、全国政党化に向けて弾みをつけた。 しかし、昨年7月に「(維新は)第2自民党でいい」と述べ、8月には自公連立政権に参加する可能性に触れ、党内から異論が出た。今年6月には自民派閥の「政治とカネ」の問題を巡り、衆院で自民の政治資金規正法改正案に同調して批判を浴びた。 馬場氏の不出馬意向について、ある維新幹部は「(橋下氏ら)創業メンバーはカリスマ性があり、後任の代表は大変だったと思う」とねぎらった。一方で、「政治資金規正法改正案の対応に甘さがあり、国民から信頼を失って今回の衆院選の結果につながった。トップとして責任を取らないといけない」と述べた。 今後の焦点は、発信力のある吉村氏の動向だ。大阪選出の若手衆院議員が吉村氏に出馬を要請するなどしており、ある国会議員は「維新の存在感を取り戻すためには、大阪で維新の政策を実現してきた吉村氏が最も代表にふさわしい」と語った。