掛布氏が球団でなく阪神電鉄本社と異例契約。なぜ阪神はミスタータイガースをグループ内に残したのか?
財界の声が大きな発端にはなったが、藤原オーナーだけでなく、秦雅夫社長も、掛布氏からシーズンを通じてのアドバイスを求めており、金庫の鍵を握り、球団フロントをコントロールする電鉄本社の立場から野球への見地を広めたいとの意向もある。球団フロントからの一方通行的な報告だけでは情報不足というわけだ。 また藤原オーナーは、シーズン終盤に安藤統男氏、吉田義男氏ら監督経験者から意見を聞く機会を作っており、グループ全体としては、「古き体質からの脱却」をはかりながらも伝統や歴史にしっかりと目を向けている。先日は、阪神OB総会にも出席した。近くにいる掛布氏から“生え抜きOB“を代表する意見を聞けるのだから貴重な存在にはなる。 「ミスタータイガース」と電鉄本社との異例契約が“オール阪神”が一丸となって優勝に挑む象徴になれば万々歳なのだろう。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)