「LUUP」が設置された複数のホテルやマンションで消防法違反の可能性…「消防署の指導で対応」
●避難器具の降下空間については細かい規定
消防法や消防法施行令などに基づき、建物の規模に応じて、避難器具設置について細かく指示されている。 弁護士ドットコムニュースが消防庁に取材したところ、避難器具については、消防法施行規則(27条)で避難器具の種別ごとにどのように設置するか細かく決められているという。また、降下地点については、告示である「避難器具の設置及び維持に関する技術上の基準の細目」(1996年)で避難上必要なものとして、避難器具が降下する空間の確保を求めており、避難器具によって、確保しなければならない空間の広さも細かく指示されている。 消防庁予防課の担当者は次のように説明する。 「消防署ではどのような建物でも10年などのサイクルで立入検査をおこなっています。そうした時に、たとえば降下空間にものが置いてあった場合は、法令違反になるのでどかしてくださいという指導をします。もしそれで対応しない場合は、命令を下します。それでも撤去されない場合は裁判所に告発する流れになります」(消防庁予防課) また、避難経路に物が置かれるケースについて、「望ましくはありませんが、無意識にやってしまうことはあります。多くの方に、防災に対する意識を持っていただき、法令上だめな場合については、指導を守っていただければと思います」と話している。
●Luup社「ご指摘を真摯に受け止める」
弁護士ドットコムニュースの取材に対し、同社は次のようにコメントした。 「ポート場所の選定は、当該物件のオーナー様や管理会社様、当社担当者等で協議の上で実施しておりますが、ご指摘いただいたような一部のポート設置場所の見落としについては、弊社巡回時や管理会社様やオーナー様での点検時に発覚するケースがあり、また消防署からの指導に則り対応を行ったケースもございます。発覚した場合は速やかに適切な対応を行ってまいります。 この度のご指摘を真摯に受け止め、これまで以上に、ポート導入施設の皆さま、近隣住民の皆さまに安心してLUUPを導入・ご利用いただけるようなポートの設置を進めてまいります」