宮城県立精神医療センター名取市で建て替え 当事者と精神科医の反応
khb東日本放送
宮城県が県立精神医療センターの富谷市への移転を断念し、宮城県名取市での建て替えが決まったことについて、移転に反対してきた当事者は「患者の生活を振り回した村井知事は非を認め、謝ってほしい」と訴えます。
精神疾患の患者や支援者でつくる、みやぎユーザーズアクションの共同代表川村有紀さんはこれまで、県立精神医療センターを富谷市へ移転しないよう県に再三求めてきました。 県が名取市で建て替える方針を示したことについて、ほっとしたと胸の内を明かします。 みやぎユーザーズアクション川村有紀共同代表「本当に今度こそようやくスタート地点に立ったかみたいな感じがあって、ここまで来るのに本当に長かったなと思いますね。そのように決断されて、ほっとしているっていうところもずいぶんあるかなというところはあります」 一方で、これまでの村井知事の対応について精神疾患の患者への理解が足りていないとした上で、強行的に進めてきたのは問題だと批判します。 みやぎユーザーズアクション川村有紀共同代表「当事者の方の意見を聞いてみたいなと村井知事は言っていたと思うんですけど、そう思うんだったらもうちょっと早くね、決断できたんじゃないかと思いますし。ここまで私たちの生活や健康を振り回した村井知事には、県民に対して自分の非を認めて謝ってほしいな、謝罪してほしいなと思っています」 川村さんは建て替えられる病院には、患者ら当事者の声を取り入れてほしいと訴えます。 みやぎユーザーズアクション川村有紀共同代表「当事者や働く人たちが参画できるような委員会であったり仕組みを作って、自分たちの実情にかなったとか自分たちが希望する病院を有識者の先生とか、県と一緒に作っていけたらなと思っています」 宮城県精神保健福祉審議会のメンバーで、精神科医の原敬造医師も最初から患者の意見をしっかり聞いておくべきだったと批判します。 宮城県精神神経科診療所協会顧問原敬造医師「本来であれば、最初から患者さんたちの意向を聞いて政策を立てれば、ここまでの問題にはいかなかったと思う」 もし富谷市に移転していたら通院ができなくなる患者が出かねなかったと指摘し、地域に根付いた医療機関は簡単には動かせないと訴えます。 原敬造医師「病院を中心にしてグループホームができてたり作業所があったり、色々な資源が地域の中で病院の関連でできている。 病院がすとんと抜けると、地域に根付いていたものまで抜けてしまう」 原医師が参加してきた審議会では、村井知事が審議会を軽視するかのような発言もありました。 村井知事「(審議会が県の方針に反対しても)これを止めることは当然、何の根拠もありませんからできない。私がやったことに対して止めることができるのは県議会だけ」 原医師は、こうした知事の手法についても苦言を呈します。 原敬造医師「やっぱりちょっと強引だなと。もっと患者や当事者と密着した形で、行政の人もですし知事もきちんと話を聞くことが大事なのではないか」
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