彦根の楽々園で「殿様の茶事体験」 井伊直弼の茶会再現
近江ツーリズムボード(彦根市中央町)が3月、彦根城の玄宮楽々園内の「御書院」「地震の間」「鳳翔台」で当時の食事や茶道に触れられるツアー「殿様の茶事体験」を行う。(彦根経済新聞) 【写真】普段は入れない施設で茶事を体験 彦根市が10月に創設した、インバウンド客を対象に楽々園を活用した体験型プログラム「侍認定制度」の第1弾として、同団体が企画した取り組み。普段は中に入れない非公開施設内で、直弼公が招く「茶事」を疑似体験できる。 当日のプログラムは彦根城散策で始まる。天守エリアではガイドが付き、外国人観光客には通訳が付く。天守エリアの散策後は玄宮楽々園へ。茶事の主催者、井伊直弼に扮(ふん)する役者が当時の衣装で出迎え、おもてなしを行う。 御書院では、殿様の井伊直弼公と一緒に料理や日本酒(希望者)を楽しむ。料理は、江戸時代に井伊直弼による茶会の記録「彦根水屋帳」に登場する当時の懐石料理を再現した。コイの洗い、ビワマスの塩焼き、炒(い)りカモ、うなぎ飯蒸し、近江米などで、いずれも滋賀県産の食材を使う。 御書院での食事の後は庭園散策を楽しんでもらい、地震の間で「濃茶」の接待、鳳翔台で「薄茶」の提供を行う。「濃茶」はお点前も含め彦根市茶道協会が担当する。 12月5日には、モニターツアーを開催。あいさつで、近江ツーリズムボードの一圓外志夫副会長は「地域の魅力を世界に向けて発信したい」と述べ、彦根市茶道協会の西郷博代会長は「日本の文化とおもてなしを外国の方に知ってもらいたい」と話した。 ツアーに参加した近江観光大使のクリス・グレンさんは「アメリカ、イギリス、オーストラリアの人は特にサムライ文化に興味があり、この体験は外国人にとって、とてもユニークで特別な体験。料理も滋賀県産や地元産のものが味わえるのがうれしい」と関心を示した。 催行日は2025年3月3日・9日・12日・19日。催行時間は10時~16時。料金(1人)は、2人利用時=16万5,800円、3人利用時=11万5,600円、4人利用時=9万500円、5人利用時=7万5,500円(各日1組、2人~5人)。予約はオンラインで受け付ける。
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