『ヒップな生活革命』著者に聞く、米国のライフスタイルの変化と日本の消費社会の行方
消費傾向と価値観は変化すると思う?
──日本の今後について、消費傾向と価値観は変化すると思いますか? 日本に帰ってきて一番思うことは、とにかく物量が多いということ。物量だけでみるとものすごく豊かな国に見えますが、すぐ使えなくなってしまうものをあんなに大量に作る意味が分からない。物と価格との関係をもっと真剣に考える必要があると思います。人口は減っているのにこんなに物が溢れていて、アメリカもそうですが、どんどん格差が大きくなっている・・・と不安になりますね。 といってただ不安を嘆いてばかりもいられないので、実は今回の本には、日本も色々考えていこうよ、という裏テーマがあるんです。コムデギャルソンの川久保玲さんも以前、『安いものを買ったらどこかで誰かが泣いている』といった発言をしていましたが、私もその通りだと思います。もちろん、誰もがギャルソンを買えるわけではありませんが、安いものを大量に持つことがそんなに良いことなのか、みんなで考えようよと思ったのがひとつのきっかけです。この本で日本が変わっていくかは分かりませんが、意識としてちょっとでもみんなの心の中に芽生えたら、小規模のビジネスもやりやすくなります。 最近、日本の若い子たちから社会に対する無力感を感じます。卒業しても就職できなかったらそれしか道がないというプレッシャーが社会的にありますが、そうではないと。自分で仲間を見つけることができれば、何かできることがあるかもしれない。今はインターネットに大量のリソースがあるので、何かを学ぶことはそんなに大変ではありません。この本を通して、無力感を感じている人たちにやる気と工夫さえあれば何かできるということを感じてほしいなと思っています。 ■書籍概要 『ヒップな生活革命』 書著:佐久間裕美子 価格:940円(税抜) 出版社:朝日出版社 ■関連情報 ・佐久間裕美子 公式サイト(http://www.yumikosakuma.com/) ・朝日出版社 アイデアインクシリーズ 公式ページ(http://idea-ink.tumblr.com/)