「呪術廻戦」、ダークファンタジーがなぜウケる?ギネス世界記録にも登録、24年中に完結予定も勢いが止まらない理由
■ 漫画のみならずアニメ、映画も大ヒット 少年漫画らしいバトルシーンが多い一方、主要キャラクターの死亡描写なども多く、公式サイトにすら「ダークファンタジー」と紹介されている同作。ただ、仄暗い作風にもかかわらず、人気は爆発的に広がってきました。 コミックスの累計発行部数は、2018年7月の第1巻発売からわずか2年余りで1000万部を突破しました。その後もほぼ1カ月に1000万部のペースで増え続け、2021年6月に5000万部、2022年8月に7000万部に達するなど勢いは衰えていません。そして2024年1月発売の25巻をもって9000万部を超え、1億の大台が迫っています。4月には最新の26巻も発売されました。 売れ行きの良さは、作品別の統計でも明らかです。出版業界の調査研究機関・出版科学研究所が公開する「コミックス売れ行き良好書」によると、呪術廻戦は15巻(2021年3月発売)から25巻(2024年1月発売)まで、全ての発売月で1位もしくは2位にランクインしました(※最新26巻が発売された4月期のデータは、5月中旬時点で未公表)。 さらに、テレビアニメ(1期:2020年10月~2021年3月、2期:2023年7月~同12月)や劇場版(2021年12月)も大ヒットを記録しました。 総合映画情報サイトが報じたところによると、2021年12月公開の「劇場版 呪術廻戦0」は70カ国以上の劇場で上映され、興行収入265億円、観客動員は2051万人を突破。人気は世界に広がっています。日本国内に限っても980万人を動員し、興収は137億円に達しました。
■ 経済効果は数千億円? 企業コラボ続々 民間企業や施設、地域とのコラボレーションも相次ぎ、コラボの件数はアニメ2期の放送期間中(2023年7~12月)だけでおよそ20件。その内訳は東武動物公園(埼玉県)や浅草花やしき(東京都)といった施設のほか、東急グループやファミリーマートなどの企業がメイン。そして青森ねぶた祭や沖縄県などの地域にも広がりました。 / 26日から再販スタート! \ ついに来週、2/26(月)~2/29(木)の4日間限定で 【#五条悟 の“赫・蒼”チキンライス】が復活! 1日50食限定でご提供いたします お楽しみに! カフェのご予約はこちら▼https://t.co/qfoaW01AAw#ホテルTOBARI#呪術東急 pic.twitter.com/vjVUAx9Wi6 ― 東急グループ×呪術廻戦コラボレーション (@jujutsu_tokyu) February 19, 2024 キャラクターをモチーフにしたオリジナルのグルメメニューが提供されたり、限定グッズが販売されたりするとあって、どのコラボも大盛況です。開催期間中、SNS上では「完売」「人多すぎ」といったファンの嘆きも多く見受けられました。 日本動画協会の「アニメ産業レポート2023」によると、右肩上がりを続けるアニメ産業市場は2022年に2兆9277億円(前年比106.8%)となり、過去最高を更新しました。3兆円が目前です。 初めて2兆円を突破した2017年から、わずか5年で1兆円近く伸長したことになります。過去10年間の成長率は198%。同協会はレポートの中で「市場が伸びた最大の原因は海外市場」とも言及しました。