ポイント72が数十億ドルを顧客に還元へ、運用資産を制限-関係者
(ブルームバーグ): 資産家スティーブ・コーエン氏率いるポイント72アセット・マネジメントは、初めて投資家に資金を還元する準備を進めている。同社などマルチストラテジーの大手ヘッジファンドは爆発的な成長を経て、ファンドの運用資産を制限する方法を模索している。
事情に詳しい複数の関係者によると、同社は年末以降、顧客に利益を還元することを検討しており、その額は数十億ドルに上る可能性がある。ただ詳細がまだ確定していないため、どの程度の還元額になるかは断言できず、計画はまだ変更される可能性があるという。非公開情報であることを理由に関係者は匿名で語った。
ヘッジファンド・マネジャーは通常、運用規模が拡大しすぎると相場の乱高下などで障害になりかねないため、新規資金の受け入れ制限や資金返還を行う傾向がある。
ポイント72は2020年以降に約128億ドル(約1兆8200億円)を調達し、現在は過去最高の352億ドルを運用している。今年は8月までに約10%、30億ドル以上のリターンを上げたとブルームバーグ・ニュースは以前に報じた。ポイント72の担当者はコメントを控えた。
ヘッジファンド業界では、ポイント72やミレニアム・マネジメント、シタデルのような安定したリターンを上げ続ける大手に管理しきれないほどの投資マネーが殺到する一方、大多数の中小ファンドは資金調達に苦慮している。
シタデルは17年以降に250億ドルを、ミレニアムは20年以降、約380億ドルをそれぞれ顧客に返還している。
原題:Point72 Plans to Return Billions as Big Hedge Funds Cap Assets(抜粋)
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Nishant Kumar