[ヒロシさん]「死ぬまでどう生きるか」 50歳代になって、もう一つやり遂げたいこと…目標は武道館
浮気されて終わる
――モテたいけれど、結婚するつもりはないんですね。 まずモテて、お付き合いがあって、結婚があるわけじゃないですか。僕はお付き合いが何なのかが分からない。結局は浮気されて終わるし、しかも浮気された方なのに、毎回、相手にいろいろと言われて結局は、僕が相手に謝って別れる羽目になるんですよ。お付き合いって何なんですかね。別に罰則もないし。そもそも結婚したって、すぐに別れることもあるでしょ。「じゃあ別にしなくてもいいんじゃない?」という考えで生きてきました。結婚は面倒くさいけど、モテたい。昔は夜中に街に出てナンパし続けるなんてこともしてましたけど。 ――体力がありますね。 お金はなかったけど、エネルギーはあったからね。今はもう出かけたくない。疲れるから。キャンプの仕事ばかりしているから山から山の移動ばかりで、最近は風呂にもなかなか入らないんですよ。今日は取材だから、ちゃんと入ってきました。久しぶりに服も小奇麗なのにして、髪にドライヤーをかけてワックスもつけて、ひげもそってきました。今日は美しいヒロシです。でも、人前に出る仕事がなくなったら、飯も好き放題食うし、太ったとしても痩せようと思わないでしょうね。たぶん仕事をしていなかったら、ずっと家にいます。 ――家にいるのが幸せですか? 売れる前、アルバイト生活をしていた時に、「バイト行きたくねえな」とそのままバイトを辞めたことがあります。でも、1週間たつと暇になってくるんですよ。そうすると、バイトしたくなってくる。不思議ですよね。家にいるのは好きだけど、暇だと何かしたくなる。
2匹の保護猫を迎えて生活が変わった
――家には、猫がいるとか。 2匹います。2年前かな、保護猫のオス「あつし」を飼うことになって、1年後にメス「さくら」も増えました。魚を飼った経験はありましたが、猫は初めてでした。昔から猫好きだったんです。けれども心配性だから飼えなくて。もし、いなくなった時の喪失感が怖くて。だから我慢してきたんですけど、いろいろなことが重なり保護猫の活動をしている団体を見に行って、一緒に生活をすることに決めました。 ――猫を飼って生活は変わりましたか? 変わりましたね。僕はテレビのナレーションの仕事をたまにやっていましたが、自分が飼うまで、「かわいいワンちゃんですね」って台本に書いてあるのが全然分からなかったんですよ。「犬でいいでしょ!」って。「ワンちゃん」「猫ちゃん」って言うのにすごく抵抗がありましたね。それなのに今ではうちの猫ちゃん……、ほら、もう猫ちゃんって言っちゃってます。 災害があった時、避難所に犬や猫を連れていけないという話も、今までは仕方ないことだと思ってたんですけど、今は「絶対に一緒に避難したい」と思います。やっぱり家族ですよね。そんな思いが強いから、あつしやさくらに何かあったら……。それも承知で飼ったんですけど、きついでしょうね。僕が先に死にたいです。僕が先に死ぬなら、誰か信頼できる人にお金を預けて、あつし、さくらのお世話をしてもらいたいです。って自分で言っておきながら、無理ですね。信頼できる人がいないので。 ――猫と一緒にいると、寂しくないですか。 確かに猫を飼ってからは、ひとりという感じはしないです。ひとりの夜って、何かむなしいときがあるでしょ? 僕はひとりが好きなくせに、昔はそれがむなしくなる夜がたびたびあったんです。そういう感覚がなくなったのは、年をとったせいもあるかもしれないけど、たぶん猫ちゃんのおかげだと思います。