阪神を戦力外になって中日入りした苦労人・板山祐太郎、「タイガースでは結果が残せずにずっと申し訳ない気持ちだった。今は感謝の気持ち」
◇25日 阪神0―1中日(倉敷) 胸のすくような古巣への恩返しだった。中日は25日の阪神戦(倉敷)に1―0で競り勝った。8回、「3番・一塁」でスタメン出場した板山祐太郎外野手(30)が決勝適時打。昨オフ、阪神を戦力外になり中日入りした苦労人が値千金の1点をたたき出した。 【番記者メモ】 離れて初めて分かったことがある。8回の決勝打を放った瞬間、板山の鼓膜を揺らしたのは、悲鳴が混じった阪神ファンの声だった。「今までは味方として聞いていた声援が敵になると、こんなにすごいのか、と。のみ込まれるような感覚でした」 試合後のヒーローインタビュー。負けたチームのファンはすぐ席を立つことが多いが、この日は多くのファンがその場から動かなかった。マイクを持つ選手が誰か分かっていたからだろう。悲鳴は激励の声援へと変わっていた。 「タイガースでは結果が残せずにずっと申し訳ない気持ちだった。今は感謝の気持ちでいっぱい」。まだまだ続く恩返し。26日からは甲子園で虎党の声援を存分に味わってほしい。(長森謙介)
中日スポーツ