【米大統領選2024】 ジョージア州の手集計規則、裁判所が差し止め
11月の米大統領選をめぐり、ジョージア州の裁判所は15日、投票用紙の集計を手作業でも行うとした同州の新規則の差し止めを命じた。この規則は同州選挙管理委員会が先月定めたもので、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領が支持していた。 ロバート・マクバーニー判事は、開票作業にあたるスタッフは何百万枚もの投票用紙を扱うための訓練を十分に受けていないとし、選挙直前での規則変更は「管理上の混乱」を招くと述べた。 また、「この選挙シーズンは緊張をはらんでいる」と指摘。2020年大統領選の投票結果の認定をめぐって連邦議会議事堂がトランプ候補の支持者に襲撃された「(2021年)1月6日の記憶は、あの日の有名さや悪名をどう考えるかにかかわらず色あせていない。選挙プロセスに不確実性と無秩序をくわえるようなものは何であれ、国民に害を及ぼす」とした。 手集計の義務化は先月、トランプ候補の支持派が過半数を占めるジョージア州選管で可決された。 これは、ジョージア州の6500以上の投票区で3人の開票作業員が、すでに機械でスキャンされ、封をされた箱に入れられた投票用紙を改めて手作業で確認するというもの。 新規則によって、選管メンバーが州による選挙結果の認定を遅らせたり、拒否したりすることが可能になるとの批判が上がっていた。 民主党の大統領候補カマラ・ハリス副大統領は15日の差し止め命令を歓迎した。 激戦州のジョージア州では15日に期日前投票が始まり、すでに記録的な数の票が投じられている。 当局によると、投票初日には45万9000人以上の有権者が投票所で直接または郵送で投票した。これは前回の2020年大統領選で記録した13万6000票の3倍以上にあたる。 ジョージア州では前回選挙で合わせて約500万票が投じられ、民主党のジョー・バイデン氏がわずか約1万2000票差でトランプ候補に勝利した。 トランプ候補は敗北を認めず、同州での投票結果を覆そうと共謀しようとしたとして起訴された。 米紙ワシントン・ポストが報じた電話音声では、トランプ候補がジョージア州のブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官に対し、「1万1780票を見つけたいだけだ」と述べている。 ジョージア州での裁判を監督する判事は後に、この選挙介入に関する裁判で、トランプ候補に対する訴因の一部の棄却を命じた。 ジョージア州フルトン郡のファニ・ウィリス地区検事は15日、棄却された6件の訴因を再び認めるよう控訴裁判所に求めた。 ■トランプ候補とハリス候補の反応 トランプ候補は15日夜、ジョージア州アトランタで集会を開き、不正で結果を覆せないほどの大差による勝利をもたらすよう、支持者に呼びかけた。トランプ候補は2020年選挙で不正があったと、根拠のない主張を繰り返している。 民主党のハリス候補は同日、黒人有権者を呼び込む努力を続けていた。複数の世論調査では、トランプ候補が黒人有権者の支持拡大に成功していることが示されている。 ハリス候補は黒人有権者に政治をあきらめないよう呼びかけたほか、ラジオ司会者のシャーラメイン・ザ・ゴッド氏(本名レナード・マケルヴィー)にこう語った。「私たちが望んでいること、その実現のために戦う準備ができていることは、私たちの積極的な参加なしには実現しない」 ハリス陣営は手集計規則の一時的差し止めを歓迎。投票プロセスに疑念を抱かせようとする試みだと指摘した。 (英語記事 Georgia strikes down new Trump-backed election rules)
(c) BBC News