「やっぱ祭りやりたいよ」液状化被害で危ぶまれる秋の祭礼 活気取り戻すために…
8月。この日、公民館に集まっていたのは約30人の子どもたち。 練習が始まりました。 橋本 謙介さん: 「人が少なくなっていってるけど、ここでやめたらもう一回するのが難しくなる。できるだけ(この祭りを)続けていければいいかなと」
上の子たちから下の子へ教え伝えていくのがこの祭りの習わし。 「最初はとりあえずリズムを覚えてほしい」 先輩たちが太鼓や笛の吹き方をひとつひとつ教えていきます。
小学校3年生の田中凛さん。初めてお祭りに参加します。 田中凛さん: 「難しいなと思った。教えてもらって覚えるのは結構楽しいから、このまま練習続けて出来るようになりたい」
そんな凜さんも被災者のひとりです。 内灘町のとなり、津幡町にあるアパート。 凛さんの自宅は大規模半壊で住むことができず、家族6人でこのみなし仮設で暮らしています。
母・田中恵美さん: 「前の家と比べると狭いです。自宅に戻りたい気持ちもあるし、西荒屋のみんながいるところに戻りたい気持ちもあるし、ただ家を直せるのにいつまでかかるかとか、元の状態ではないところで生活していく不安、はっきり言えないですよね」 田中凛さん: 「今は凛以外、みんな(友達は)元の家に住んでるから遊べない、あっち(西荒屋)に行かんと」 友達とも学校以外では気軽に遊べません。
そんな凛さんが楽しみにしていたのがこの祭りの練習日。みんなに会える大好きな時間です。 約1か月間の練習もこの日が最後。凛さんたちの笛もしっかり上達しました。 橋本 謙介さん: 「集まる切っ掛けになると思うから。なんやかんや楽しそうにしてるし、そういう楽しい場を作れたらいい」
迎えた祭り当日。
今年も西荒屋に囃子の音が帰ってきました。 子どもたちが一体となってこれまでの練習の成果を披露します。
「まだまだまだまだ、これからやぞ~!」 祭りは徐々に熱気を帯び始め、橋本さんも全力で祭りを盛り上げます。