相馬高校の三浦捺希さんが開会式で歓迎のスピーチ「温かいおもてなしの心を持って、私たちはお迎えします」
7月27日に52校が出場する令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)が福島県内で開幕する。開幕前日の26日、福島県のJヴィレッジで開会式が行われた。 【フォトギャラリー】開会式風景 全国52の代表校の監督やスタッフ、選手たちが集結。 開会式は北海道第1代表の旭川実の紹介から始まり、24大会連続出場の青森県代表の青森山田や、前回大会準優勝の神奈川県第1代表の桐光学園など代表52校が紹介された。 その後は、福島県高体連サッカー専門部会長の鈴木哲氏による開会宣言、国歌斉唱、高体連歌斉唱と続き、公益財団法人全国高等学校体育連盟サッカー部専門部部長の玉生謙介氏、日本サッカー協会専務理事の湯川和之氏による挨拶、内堀雅雄福島県知事による歓迎の言葉、そして開催県高校生代表の言葉として福島県立相馬高等学校の三浦捺希さんから出場選手たちへ熱いメッセージが送られた。 その三浦さんは「全国各地からみなさんが福島県に来て下さり、プレーしてくださることを大変嬉しく、そして大変誇らしく思っております。いよいよ明日から始まる大会に皆さんの期待や緊張感がヒシヒシとこちらまで伝わってきます。これまで厳しい練習を重ね、仲間と切磋琢磨しながら、この日のために準備を重ねてきたと思います。練習量やチーム環境など異なることはあると思いますが、高校サッカーの頂点という憧れの可能性を全てのチームが秘めています。これまでの努力が実を結び、今大会で発揮されるよう心から願うとともに、全力でサポートさせて頂きたいと思います」と選手たちを歓迎した。 そして「今年度の大会の会場となるJヴィレッジは太平洋を望む自然あふれる丘陵地帯に位置し、国内最高レベルのピッチコンディションとして有名です。今から13年前東日本大震災が発生し、このJヴィレッジは福島第一原子力発電所事故の対応拠点として利用されていました。そして2019年以降復興のシンボルとして新たに生まれ変わり、今では日本サッカーの聖地として知られるようになりました。これも全国そして世界中からの支援によるものです。 福島は震災前の姿を取り戻しつつあります。今大会を通してこれまでの多大なる支援に感謝の気持ちを表し、私たちの復興のスローガンである絆を深める大会になれば幸いです。全国から訪れる多くの人々に温かいおもてなしの心を持って、私たちはお迎えします。皆さんが今大会に参加し、白熱したプレーが楢葉町そして福島県を更に活気づけ、新たな魅力が根付くことでしょう。最後に一人一人の全力プレーが希望を与え多くの人々の心に残る大会になることを祈念致しまして、開催県高校生代表の歓迎の言葉とさせていただきます。応援しています。頑張って下さい」と震災からこれまでの歩みを振り返りながら歓迎の挨拶を締めくくった。 開会式後、「すごく緊張したんですけど、全国から来てくれたので、ちゃんと話せてよかったなと思います」と、緊張しながらもしっかり大役を務めあげ、安堵した表情を見せた三浦さん。 挨拶の言葉は「福島県でサッカーの全国大会をやるという事で、福島県の魅力を入れながら選手の皆さんにエールを届けたい」との想いで考えたと明かした。 この役目が決まった時には「凄いビックリした」という三浦さん。先生や友人、家族からも「凄いね!頑張って!」と送り出され、この舞台に挑んだ。 「自分がこの役目を引き受けられて、凄く貴重な経験ができたし凄く光栄でした」。 これから戦いに挑む選手たちを福島に迎えるため、一生懸命準備した立派なスピーチだった。 (文・写真=会田健司)