ONE OK ROCK、藤井 風、Official髭男dism、RADWIMPS……スタジアム/アリーナと会場規模を拡大するアジア公演
アニメタイアップでファンを拡大するOfficial髭男dism、RADWIMPS
Official髭男dismもアジアでの人気が急速に高まっており、この冬にはソウルと台北で初のワンマンライブ開催が決定している。すでに韓国公演では追加公演が決定しており、韓国における彼らの人気の高さが窺える。彼らの音楽はどのようにして、アジア諸国に受け入れられていったのだろうか。その答えのひとつは、アニメにあるだろう。Official髭男dismはこれまでに多くのアニメ作品に主題歌を提供してきた。たとえば『SPY×FAMILY』(テレビ東京系)の第1期OPテーマ「ミックスナッツ」や『東京リベンジャーズ』(MBS/テレビ東京/AT-Xほか)の第1期OPテーマ「Cry Baby」、同アニメ「聖夜決戦編」と「天竺編」OPテーマ「ホワイトノイズ」などが挙げられるが、『SPY×FAMILY』『東京リベンジャーズ』どちらも海外でも非常に人気の高いアニメ作品だ。このように海外におけるアニメ作品の人気と相乗効果的にOfficial髭男dismの人気も押し上げられてきたように思う。日本ならではの文化“アニメ”と“J-POP”がお互いに分かち難くリンクしながら海外に広がった結果、初のアジアツアーにして追加公演が行われるほどOfficial髭男dismの音楽がアジアで受け入れられることになったのであろう。 中国やインドネシア、タイなどでのアジア9都市を含むワールドツアーを成功させたRADWIMPSもアニメ作品との相乗効果によって海外のリスナーを獲得したバンドだ。アニメ映画『君の名は。』や『天気の子』の劇伴を含む音楽で一躍世界的に注目を集め、アジア全域で高い人気を誇るバンドとなったRADWIMPS。RADWIMPSの音楽は、映画とともにその感動的なメロディと詩的な歌詞が多くの人々の心に響き渡り、映画を通じてさらに多くのファンを獲得してきた。主題歌という位置づけでなく、サウンドトラックとして映画と深くシンクロすることによって日本語の歌詞がわからないアジア諸国のリスナーの心にもRADWIMPSの音楽が深く響いたのだ。その結果、彼らのアジアをはじめとした土地で常に大きな人気を博し、その注目の高さをあらためて証明することになった。 これらのアーティストに共通するのは、音楽のパワーのみならず、SNSやアニメといったメディアを媒介し、アジア圏での人気を拡大していることである。その人気の拡大はライブ動員数として如実に表れ、スタジアムやアリーナといった大規模会場での公演が当たり前となってきている。彼らのライブ市場での成功は、J-POPのアジア市場での成長を象徴しており、今後もその影響力はさらに広がっていくだろう。日本の音楽シーンがアジア全域で活躍し続けることに期待が高まる。
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