「柴犬が釣れた」愛犬とお散歩をしていると…!? ちょっぴりおバカな柴犬とのドタバタの日常【書評】
どんぐりはニヒルな顔で脱走し泥まみれになって花壇で遊んでしまうので、雨の日の出入りには特に注意が必要だという。雨の日に花壇を飛び跳ねて遊んでいる姿を見るだけならかわいいのだが、飼い主からすれば絶望的な光景なのだろう。黒柴に見えるほど真っ黒になったどんぐりは、たとえ夜でもお風呂で洗うしかない。脱走している間はあんなにドヤ顔だったどんぐりが父と母の手で洗われるときは悲壮な顔をしていることに、思わず声を出して笑ってしまう。
宮路家では、どんぐりを褒めて育てている。わざとらしいほど褒めていると、「やっぱり」というようなまんざらでもなさそうな顔をするのも愛おしい。自分が愛されていることを最大限に自覚して毎日元気いっぱいにすごしているどんぐりを、毎日見守りたくなってくる。 犬好きにはたまらない柴犬の実写込みの本作を読めば、きっと誰でも笑顔になって癒やされるだろう。さらに2巻では、引き続き慌ただしいどんぐりとの日常やどんぐりを連れての旅行、迷子犬の保護などのエピソードが描かれている。ちょっとおバカで明るい柴犬とすごす宮路家の日常を心行くまで楽しみながら、どんぐりのかわいさを堪能してもらいたい。 文=ネゴト/ 押入れの人