カナダの学生ビザ制限、人口急増を緩和-外国人留学生の数が減少
(ブルームバーグ): カナダ政府の高等教育に絡む取り締まりで、外国人留学生の数が減少し始めている。この先数年、人口の急速な増加を和らげることになりそうだ。
カナダ統計局の19日の発表によると、今年1-3月(第1四半期)、就学許可証のみの保有者は2万4594人減り、前年同期の1万6003人減から減少幅を拡大した。こうした減少は、一時的移民の全体的な伸びを鈍化させる一因ともなった。同国は1-3月期に13万1810人の非永住者を受け入れたが、これは2022年初頭以来、四半期ベースの純増数としては最低水準に属するものだった。
全体の人口は1-3月期に0.6%増の4100万人となった。四半期としては前期と同じ伸び率だが、23年7-9月(第3四半期)の1.1%から著しく減速している。
トルドー政権は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後に生じた爆発的な人口増加を抑制し、住宅不足や公共サービスのひっ迫に対する国民の怒りを鎮めるため、留学生受け入れを前年比で35%削減しようとしている。
最新の統計は、この政策が記録的な増加の連鎖を断つ一助となった可能性を示している。新たな制限が1月に発表されてからは、永住権取得への道筋として教育を利用しようと考えていた外国人にとっても、カナダの魅力は低下した。
カナダではパンデミック後、留学生や労働者、亡命申請者など、今年4月までの9カ月間で100万人が新たに居住するようになり、人口が急増した。統計局は、こうした一時的な移民の流入がなければ、1-3月期の人口増加率は0.3%だったとしている。01年から21年まで、カナダの1-3月期の人口の伸び率は0.1-0.3%で推移していた。
原題:Student Visa Crackdown Begins Easing Canada Population Gains (1)(抜粋)
--取材協力:Jay Zhao-Murray.
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Randy Thanthong-Knight