日銀政策正常化への債券・株式市場の反応不透明 当面は慎重なスタンスで相場に臨もう「イントランス」「ジィ・シィ企画」など
【トラトラ株】 4月の毎月勤労統計調査では、物価変動の影響を除いた実質賃金が前年同月比0・7%減と25カ月連続でマイナスとなった。また、4月の鉱工業生産指数は速報値が101・6となり、前月から0・1%低下した。個人消費と企業の生産活動の低迷が危惧される状況だ。 このため、日本株全般の上値は買いがたい。このような状況下、日銀は6月13~14日の金融政策決定会合で、国債買い入れの減額を具体的に検討すると伝わっている。日銀の政策正常化への債券・株式市場の反応も不透明のため、当面は慎重なスタンスで相場に臨みたい。 まず、イントランス(3237)は北海道ボールパークFビレッジ内の球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」近接地で、シンガポールに拠点を置く世界有数の独立系ホスピタリティグループ「バンヤン・グループ」のブランドホテルの運営を行う。これが注目ポイント。 バンヤン・グループ100%子会社のBanyan Tree Japan有限会社と、イントランス100%子会社のイントランスホテルズアンドリゾーツの共同出資による「ジャパンホテルオペレーションズ株式会社」が運営する。2025年3月期以降は、黒字化に向けてホテル運営事業を中心に事業を拡大する見込みだ。 次にジィ・シィ企画(4073)は、デジタルペイメントソリューションの世界的な大手プロバイダー、Newland Payment Technology(NPT)の海外ビジネスを担当するグループ会社、Newland Payment Technology International(Singapore)Pte Ltd.(NPI)と決済端末に関する販売店契約を締結した。これが注目ポイント。 NPTとジィ・シィ企画は、DXの一環としてシームレスで安全かつサステナブルな決済システムを提供。決済体験に革命を起こすという双方の目的が一致したことで、販売店契約を締結することになった。 そしてグリッド(5582)は、北海道電力(9509)向けの火力・水力需給計画最適化システム「ReNom Power」の「AIエンジン」開発が完了したことを6月3日に発表した。これが注目ポイント。
AIエンジンは、人工知能の機能を持つソフトウエアコンポーネント。このAIエンジンがすべての制約条件を考慮し、最適な発電方法を導き出すことで、燃料消費量を削減した発電計画が立案できる。AIエンジンの開発完了で、火力・水力発電の需給の最適化が可能となり、いっそうの業務効率化が期待できるという。 (株式会社カブ知恵 代表取締役・藤井英敏)