中川紅葉のエッセイ連載!「今やMBTIオバケと化している」/ココロすっぴん#33
青山学院大学に在学する現役女子大生で、演技やバラエティなどマルチに活躍している中川紅葉さんによるエッセイ連載「ココロすっぴん」。かなりの読書家で、大学生・タレント・インフルエンサーなどのさまざまな顔を持つ彼女が日々感じたことを、忖度なく書き綴ります。 【写真】MBTIにすっかり左右されている中川紅葉 ■#33「あれ、君のMBTIなんだっけ」 自分は、MBTIで人を判断するほど薄っぺらくない。そう思っていた。それなのに、周りの友人がこぞって相性のいい型であるということを知ってから、この謎のアルファベットを信じざるを得なくなった。それどころか、最近の口癖は「あれMBTIなんだっけ?」だ。 MBTIとは最近流行りの、性格診断である。人類の性格を16個のジャンル分けで終わらせるのは、いかがなものかと思う。肌の色診断として有名なブルベとイエベ論争も、春夏秋冬の4タイプ診断だけだったにも関わらず、最近は加えて“グリベ”というニュータイプがあるらしい。シュレックかよ。だから、どうせMBTIもそのうち32種類くらいには増えそうだなと思っていた。去年共演者の中で流行っていた、この謎の性格診断を馬鹿にしていたのに、1年越しにとっても信用して、今やMBTIオバケと化している自分に、若干腹が立っている。 私のMBTIは、どうやらINFJ-Tというもの。日本語で言うと「提唱者型」と言うらしい。本当か分からないが、世界で1番珍しいタイプだという。そう言われると、どうも気分がいい。 簡単に説明すると、頭文字がEなら社交的、Iなら内向的。横棒の後がAだと神経性が低く楽観的、Tだと神経性が高く繊細。つまり私は内向的で繊細である。そりゃ珍しい型なのだろうと納得がいってしまう。 色々と細かく調べると、中川は内向型で、直感的意識が強いため想像力と好奇心が旺盛。共感しがちで計画的。自意識が強いためストレスに弱い、とのことだった。なんだかとても面倒臭そうな性格である上に、さすがに思い当たる節がありすぎている。 ■どうやら、人と関わるのが向いていないみたいである 先日、TikTokで“芸能人のMBTI”という投稿が流れてきた。超大物芸能人の名前ばかり並んでいる中に何故だか私の名前も入っていて、「ENFJ 主人公型」の中にジャンル分けされていた。去年、何度診断しても私は「主人公型」の性格だったのに、今ではすっかり「提唱者型」に変わってしまっている。 まとめを作ってくれた方は、いつかポロっと何かの媒体で私が言った性格診断の結果を覚えていてくれて、しかも書いてくれて、そしてSNSでバズっている。でも、私はもうその性格ジャンルの人間ではない。そう思うと、とても申し訳なくなった。でも、言ったら可哀想だし、なんて思いながら「ありがとうございます!」とコメントを残しておいた。 そんな私は、1ヶ月経った今でもその投稿をふと思い出して肩身が狭くなる。なんだか良くないことをした気分だし、きっとこれが皆の言う「INFJ-Tの性格」なのだろうなと感じている。 「INFJあるある」と検索すると、こんなものが出てくる。「時間があると芸術的なものを見ることに時間を費やす」「友人関係は狭く深くがモットー」「他人からの期待に敏感」「好きになっても片想いで終わりがち」。どうやら、人と関わるのが向いていないみたいである。 そんなサイトを見ていたら、今日も1人で朝を迎えた。気がつくと空が明るくて驚く。また携帯をいじろうとした時に、サイトの最後のあるあるが見えた。 「INFJは自己の理解に非常に興味がある」 ああ。こんな簡単な16個だけの性格診断に私は完敗だ。 ■【ヒトコト】 以前Xで、「私は何べの骨格何の、顔タイプ何?」と悲鳴をあげたところ、真面目に教えてくれた方がいらっしゃいました。確か私はブルベ夏、骨格ナチュラル、顔タイプフェミニンで、調べてみたら確かにいつもなんとなく選ぶアイテムたちが自分のタイプに属していました。 でも、たまに思うのです。皆なんでもジャンル分けしすぎだよね、と。区別するから何かがよく見えたりしちゃうんだよね。ブルベなら勝ち組と言われてるけれど、本当にそうかな~なんて思う。 そもそも「これが似合いますね」じゃなくて、「これが好きです」が良しとされる時代なんじゃないのかね。そんなkemioさんのような強可愛いマインドをいつも心に飼って、最近は生活しています(おすすめです)。