<光る君へ>自業自得も同情を禁じ得ずにはいられなかった道兼 期待からの憤怒…絶望 玉置玲央の表情(筋)演技のすごさ
俳優の吉高由里子さん主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(総合、日曜午後8時ほか)。4月7日放送の第14回「星落ちてなお」では、段田安則さん扮(ふん)する藤原兼家が、3人の息子たちの中から、自身の後継者を選ぶ様子が描かれたが、道兼役の玉置玲央さんの演技について、「玉置さんの表情筋がすごい」「道兼の表情がほんとに百万点」「よくあんな顔が動くなぁと感心しちゃった」などと視聴者の注目を集めた。 【写真特集】次回、一条天皇が麗しく成長! 平安“イケメンパラダイス”? 場面カットに写っているもの
第14回のオープニングのタイトルバック開け、兼家は道隆(井浦新さん)、道兼(玉置さん)、道長(柄本佑さん)を集め、息子たちにこう告げる。「今日は気分がよいので、お前たちを呼んだ。出家いたす」と──。
続けて「望み通り関白になったが、明日それを辞し、髪を下ろす」と口にすると、「わしの跡は……」と“後継者”の指名に移る兼家。ここで道兼は、信じて疑わない父と目が合い、期待に満ち満ちた顔になるが、聞こえてきたのは「道隆、お前が継げ」との道兼にとっては聞きたくなかった言葉。道兼は驚きながら、道隆から兼家へと視線を移すと、「父上は正気を失っておられる。父上の今日あるのは、私の働きあってこそ。なぜ兄上に!」と自分の“手柄”を主張し、兼家の決定への不満をぶつける。
しかし、兼家からは「黙れ。正気を失っているのはお前の方じゃ。お前のような人殺しに一族の長が務まると思うのか!」と言い返され、さらには「大それた望みなぞ、許し難し。下がれ」とまるで相手にされない状況に、道兼は顔をわなわなとさせ、見る見るうちに怒りの感情を膨らませる。
抑えきれなくなった道兼は、ここで「父上こそ、帝(みかど、一条天皇)の父の円融院に毒を盛り、花山院の女御様とその子を呪詛し、そのあげくあやめ奉った張本人ではないか!」と裏の悪事を暴露。それでも兼家には響かず、逆に「道兼はこれからも、我が家の汚れ仕事を担って兄を支えてまいれ。それが嫌なら身分を捨て、どこへでも流れてゆくがよい」と言われてしまう始末。道兼は怒りに震え、かつ今にも泣き出しそうな顔になると「この老いぼれが……」と切り出し、憎しみに満ちた憤怒の表情で「とっとと死ね!」と言い放った。