<光る君へ>自業自得も同情を禁じ得ずにはいられなかった道兼 期待からの憤怒…絶望 玉置玲央の表情(筋)演技のすごさ
まひろの母を殺めた“人殺し”でありながら、父に認められたい一心で“汚れ役”を、ある意味“喜々として”引き受けてきた道兼。後継者指名については、勝手に自分でかけたハシゴを外されただけのことで、「自業自得」と言ってしまえば自業自得だが、同情を禁じ得ずにはいられなかったのも、また確か。それも玉置さんのなんとも人間臭い道兼像を、表情筋を総動員してここまで作り上げてきたからこそ。絶望からか、その後、参内しなくなり、妻と娘にも去られてしまった道兼だが、その行く末と共に、引き続き玉置さんの演技には注目したい。
「光る君へ」は63作目の大河ドラマ。平安時代中期の貴族社会が舞台で、のちに世界最古の長編小説といわれる「源氏物語」を書き上げた紫式部(まひろ)が主人公となる。脚本を、2006年の「功名が辻」以来、2度目の大河ドラマ執筆となる大石静さんが手掛け、きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生を映し出す。