「彼はどこまでも行けると思う。振り返ると鳥肌が立つ」シュトゥットガルト元コーチがチェイス・アンリの成長に感銘
シュトゥットガルトでコーチを務めたネイト・ヴァイス氏は、チェイス・アンリを高く評価した。 尚志高等学校卒業後にシュトゥットガルトに加入したチェイス。セカンドチームを経て、今シーズンにファーストチームに昇格すると、開幕戦からピッチに立ち、レアル・マドリー戦でチャンピオンズリーグ初出場を果たすなど、ここまで公式戦8試合に出場する。 センターバックや両サイドバックと、DFラインで器用にプレーをこなし、早くからセバスティアン・ヘーネス監督の信頼を勝ち取るチェイスに対してはメディアも注目。イギリス『スカイスポーツ』では19日のバイエルン・ミュンヘン戦を前に同選手の特集を組み、その中で元コーチのヴァイス氏の言葉を紹介した。 「2年前、彼はセカンドチームでベンチに座っていた。彼にある才能を見ることはたくさんのコーチにとって簡単なことではなかった。みんなが帰路に就いた後、彼はウェイトルームで2タッチでのリフティングパスをしようと私に尋ねてきた。彼はボールタッチに取り組む必要があったことを理解していたから、私たちは毎日やっていた。継続的な取り組みだった」 「(セカンドチームの)他の選手たちは彼よりも7年間多くの経験があった。しかし、この少年はさらに成長することに取りつかれていた。彼が練習をしたがらないときなんてなかった。私がいないときには彼は1人でもやっていた」 ヴァイス氏はチェイスの日々の努力だけではなく、態度にも感銘を受けたと語った。 「選手に100mを全力で走るように言えば、彼らのほとんどはその意味を理解するだろう。しかし、ポゼッションの練習で3分半集中するように言っても、彼らは100%全力でやるという意味を完全には理解していない。しかし、彼は集中する方法やリカバリーの方法、すべてのことを理解していた。このような意味を理解する今の若手選手はほとんどいないが、彼は理解していた。私がコーチをしているとき、アンリを手本として利用していた。このような選手たちが成功するんだ」 また、ヴァイス氏はチェイスが移籍当初苦しんでいたことにも触れ、同選手の成長に目を細めた。 「最初のころ、彼は十分に良くはなかったから、他の選手たちは彼に向けて大きな声を上げていた。彼は続けざまに悪いパスを出したり、プレッシャーを受けていたから、彼らは文字通り叫んでいた。彼は上手くプレーしていなかった。それから、彼は徐々にそのレベルに追いつき始めるようになった。目の前で彼の成長を目にした。彼の成長を振り返ると鳥肌が立つ」 「彼(ヘーネス監督)はアンリの短いキャリアの中での成長を主観的に見て判断する最初の人間だった。彼がどのような選手になるかを見るためには想像力が必要だった。これこそ、私がバスティ(ヘーネス監督)にできる限りたくさんの才能を送ってきた理由だった。バスティはアンリがとても高いレベルでプレーしたものを目にし、それに一貫性が加わったらどうなるかということに気づいていた。彼はアンリのポテンシャルを目にしていた」 「彼には多くの選手にはない能力がある。彼は巨人で、とても強靭だ。それにスピードもある。空中戦では驚きだ。だから、彼にシンプルなことをさせれば、彼は最高の選手になるだろう。彼が安定したプレーができるように、基本を適切にこなすことだった。最初のころ、彼にはミスなくパスをする方法を学ぶ必要があった。それから、ビルドアップのパスや試合での場面について考えるようになった。今の彼を見ればわかるが、ビルドアップの中でそれらのパスを使えている」 「たくさんの選手が今、ネイマールのようなドリブルができるセンターバックになりたがっている。彼らはすべてにおいてワールドクラスになりたがっている。でも、若い選手で、1つか2つのことを世界トップレベルでやることに集中すれば、トップに立つチャンスはある。彼は1つか2つのことを非常に上手くやることに集中するために子供たちにとっての良いお手本だ。アンリには守備やヘディング、デュエルに勝つ能力があり、彼はワールドクラスのレベルでそれらをやっている。それが彼の武器だ。それ以外のことをそこそこにこなせれば、それで十分だ」 「チェイスは彼の頭で考えられる限りどこまでも行けると思う。2年前にはこのような成長は考えられなかった。当時から今の彼になるまでのステップは、ここからトップレベルになるまでよりもかなり大きなステップだった。12歳で白紙からスタートした子供が20歳でチャンピオンズリーグでプレーしている。これはかなり素晴らしい物語だと思う」