NTT、逆相音波で音漏れ防ぐ開放型イヤフォンの音質強化「nwm DOTS」
NTTソノリティは、nwmのオープンイヤー型イヤフォン「耳スピーカー(耳スピ)」より、完全ワイヤレスイヤフォン「nwm DOTS」と、有線イヤフォン「nwm WIRED」を、11月20日より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はnwm DOTSが24,200円前後、nwm WIREDが4,950円前後。 【画像】有線イヤフォン「nwm WIRED」 nwm DOTSのカラーバリエーションは、ストーンホワイト、チャコールブラック、マスタードイエロー、バーガンディレッド、モスグリーン。このうちホワイトとブラックのみ11月20日発売で、ほか3色は12月上旬発売。 nwm WIREDのカラーバリエーションはダークブラウン、ホワイトベージュ、ネイビーブルー、ミントグリーン、コーラルピンクで、全色とも11月20日に発売する。 また2025年春にはスポーツなどに使えるアクティビティモデルとして、ネックバンド型の「nwm GO」も発売予定。価格はオープンプライス。 ある音波(生相)に対して逆位相の音波を当てることで音が消える原理を応用した独自の「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)技術」を全モデルで採用し、オープンイヤー型ながら音漏れが気にならないとする。周囲の音をカットして、ユーザーの声だけを届けるNTTの特許技術「Magic Focus Voice」も搭載し、通話やオンライン会議でのストレスも軽減する。 同ブランドでは、すでに完全ワイヤレスの「nwm MBE001」、有線モデルの「nwm MWE001」を展開しているが、ユーザーの声を反映して、機能性やデザインを見直してフルモデルチェンジし、後継機となるnwm DOTSとnwm WIREDを投入する。 20日に都内で行なわれた製品発表会で、同社の坂井博代表取締役社長は「nwmとしてオープンイヤーの間口を広げるべく、耳スピシリーズの拡充とさらなる投資を行なっていく。今回の製品群により、ライフスタイル、ライフステージにあわせて、さまざまなシーンでオープンイヤーを手にとっていただきやすい環境を提案していきたい」と語った。 ■ nwm DOTS 音楽鑑賞だけでなく、通話やオンライン会議にも最適なマルチユースモデルと位置づける。旧モデルから音質、音漏れ、装着感、バッテリー持続時間などを強化した。 なかでも最も追求したのが音質と音漏れ抑制だといい、口径は旧モデルと同じ12mmながら、振動板やコイルなどを完全新規設計した新開発ドライバーを搭載した。これにより低中域の厚みを増すなど音質と音圧を強化。音漏れも1kHz以降の全域でより小さくなったとのこと。 重さも片耳約8gと、旧モデルから12%軽量化。耳輪に掛けられるシリコンフック、耳の厚みや形にあわせて装着位置を固定できるテールチップ(3サイズ)も備え、軽やかで安心感のあるつけ心地で、ズレや痛みが出にくいという。 デザインはフラッグシップモデルのヘッドフォン「nwm ONE」を踏襲し、スピーカー部分には円をモチーフにしたデザインを採用。オン・オフ問わず使いやすいベーシックなブラックを基調にしつつ、シックなアクセントカラーを組み合わせたツートンカラーとなっている。 充電ケースは手のひらになじむコンパクトサイズで、蓋の内側にはアクセントカラーと同じカラーリングと、nwmのエンボスロゴがあしらわれる。 Bluetooth 5.3準拠で、コーデックはSBC、AAC、LC3のほか、CVSD、mSBCをサポートする。 最大2台のマルチポイント接続も利用できる。 連続再生時間はイヤフォン単体で最大8時間、ケース込みで最大32時間。5分の充電で約1時間使用できる。USB-C経由の有線充電に加え、ワイヤレス充電にも対応。イヤフォンはIP54の防水・防塵仕様。 ■ nwm WIRED 充電を気にせず使える有線モデル。オンライン学習/会議など、あらゆるシーンでの利用を想定するほか、遅延の心配もないため、ゲームや動画視聴にも最適だという。 新ドライバーの搭載や軽量化といった改良も施しつつ「オープンイヤーイヤフォンが気になる」という人が手に取りやすいよう、コストパフォーマンスも追求しており、「極限まで努力を重ねて、圧倒的なコストメリットを実現した」(NTTソノリティ坂井博代表取締役社長)という。 こちらも新開発の12mmドライバーを採用しているが、nwm DOTSとは異なるもので、チューニングも変更しているとのこと。従来モデルから音質・音圧が向上しているほか、音漏れも抑えている。重さも両耳で約7.2g(コード含めず)と旧モデルの9gから20%軽量になり、「nwm史上最軽量」となっている。 デザインはフラッグシップモデルのnwm ONEを踏襲し、円をモチーフにしたアイコニックなデザインを採用。ケーブルは絡みにくい新仕様となった。 パッケージはホチキスを一切使わない完全クラフト仕様。イヤフォン本体とリンクするカラーリングで「誰かに贈りたくなるデザイン」を目指したとのこと。 再生周波数帯域は100Hz~20kHzで、インピーダンスは16Ω、プラグは4極の3.5mmステレオミニ、ケーブル長は1.2m。全指向性(ECM)マイクも内蔵する。 ■ nwm GO nwmブランドでは、これまで主にビジネス用途を見据えた製品を展開してきたが、このnwm GOはアウトドアなど趣味や遊びに特化したアクティビティモデルと位置づける。 アクティブに動いてもずれない安定性と快適性を実現したほか、完全新規開発の12mm径ドライバーを搭載。こちらも独自のPSZ技術を搭載している。雨や蒸れを気にせず使える防水仕様で、アウトドアから日常利用までマッチするデザインを採用するという。 ■ 音を聴いてみた 短時間ながら、nwm DOTSとnwm WIREDの実機を試聴してみた。nwm DOTSはシリコンフックが耳に優しくフィットし、装着感はかなり軽く快適。ただ試用したものはテールチップのサイズが耳に合っていなかったためか、首を振ると左イヤフォンだけすぐに外れてしまうような状況だったので、しっかりフィッティングは行なったほうが良いかもしれない。 「ビリー・アイリッシュ/bad guy」を試聴してみたところ、クリアなサウンドでボーカルが聴き取りやすい。オープンイヤー型ということもあり、低音の量感などはあまり感じられなかったが、曲中に使われているフィンガースナップの音が小気味よく、印象的に感じられた。 有線モデルのnwm WIREDも装着感は軽く、快適。テールチップなどがないためか、nwm DOTSよりも軽い装着感に感じられ、まさに「つけていないような感覚」を味わえた。 こちらも「ビリー・アイリッシュ/bad guy」を試聴してみたが、nwm DOTSよりも全体的にサウンドは軽めで、より長時間使っても聴き疲れしにくい印象だった。
AV Watch,酒井隆文