フジッコの「塩こんぶ」はなぜロングセラー商品になれたのか? 商品がたどってきた「変遷の歴史」
今では調味料として、すっかり定着
昆布は浜で干し、乾燥させたものが工場に運ばれます。これに酢をかけて柔らかくします。この工程を「漬前」と呼んでいます。それから、塩こんぶのサイズに切り分け、最先端の機械を使って異物や品質を厳しくチェックします。 昆布を湯洗いして水分を吸収させた後、調味料を加えて、コンピュータ制御された真空の釜でじっくりと炊き上げます。 秘伝の調味料は、今も原料を原料メーカーと吟味しながら作り上げています。また、創業以来、研究と工夫を積み重ねた独自の技術でふっくら柔らかく仕上げていきます。 炊き上がった昆布は、風味を損なわないようにして、やさしくじっくりと乾燥。仕上げの味付けをして、おいしい「ふじっ子(塩こんぶ)」ができ上がります。 味は時代によって少しずつ変わってきていますが、大きくは変わっていません。塩分が気になるという声が出てきたことで、塩分を25%カットした減塩シリーズを出したのは、20年ほど前のことで、大きな味の変化といえば、これくらいでしょうか。 実は減塩して味もそのままおいしくするのは、簡単なことではないんです。おいしさをそのまま減塩できたのは、会社としての技術の蓄積が生きたと思います。 中高年以上の世代は、ご飯のお供というイメージを持つ方も多いようですが、今、若い人には調味料としても認識されています。昆布のうま味と、味付けに用いる醤油・砂糖・塩は、調味料の王道。いろいろなものに合うんです。 ピーマンやキャベツなど、野菜とのマッチングがテレビで取り上げられたりして、今は調味料としてすっかり定着しています。炒め物に使われたり、漬け物に使われたり。これもまた、ここまでのロングセラーになった理由でもあると思います。 そして、こうしたニーズの変化で、使われる量も変わっていきました。昔の食べ方であれば、一般的な小袋でも十分でした。ところが、調味料として使うとなると、量が違う。 大袋を出すと支持が増えていき、聞いてみると「調味料として使うと小袋ではすぐになくなってしまう」という声がたくさん寄せられました。それで特大袋や超徳用袋も出すようになりました。 時代の流れとともに料理用として使われていく中で、商品も変化していくことになりました。実際、本当にいろんな料理に使われています。当社のWEBサイトでも、たくさんのレシピを紹介していますが、それを考えるのも、私たちの仕事になっています。