選挙ポスター掲示板はどこにある? 都内の1万4000カ所を可視化、密度や費用を分析
都知事選のデータを市区町村別に見ると、ポスター掲示板の設置数多かったのは世田谷区の897カ所、足立区の617カ所、八王子市の591カ所など。また、掲示板1カ所当たりの有権者数が最も多いのは江戸川区の1096人、最も少ないのは離島の青ケ島村の48人で、約23倍の開きがあった。
1平方キロメートル当たりの掲示板設置密度は、トップの荒川区が24.3カ所で、豊島区の24.2カ所、新宿区の20.7カ所と続く。島しょ部や一部の多摩西部の自治体では、1平方キロメートル当たり1カ所に満たない。
都知事選でのデータを衆院選の小選挙区に当てはめて分析すると、掲示板の設置場所が最も多いのは東京25区(青梅市、昭島市、福生市、羽村市、あきる野市、西多摩郡)の862カ所。多摩地域西部の同区は、面積が約600平方キロメートルと都内最大の選挙区だ。設置場所が最も少ないのは東京9区(練馬区西部)で270カ所。同区の面積は約27平方キロメートルで、都内では7番目に狭い。
同一選挙区で1024キロ離れた掲示板
東京3区には品川区と島しょ部の自治体が含まれ、選挙区の北端の掲示板から、南端の母島(小笠原村)の掲示板までは1024キロ離れている。東京都心から網走(北海道)よりも遠い。
他方、掲示板同士の距離はそれほど離れていなかった。直近の掲示板までの距離が最も遠いのは、父島(小笠原村)の中部にある扇浦から同島北部の二見港の掲示板までで、直線距離は2.6キロ。住民が暮らす地域には、掲示板が効果的に配置されているといえそうだ。
■1つの団地内に14カ所
日野市と多摩市にまたがる百草(もぐさ)団地には、掲示板が14カ所あった。日野市は、東京都の自治体として例外的に掲示板の地番や場所の地図を市のホームページ上で公開していた。多摩市とは情報公開の程度に差があった。
設置場所は紙の地図で伝達
これだけ多くの掲示板設置場所は、立候補者の陣営にどのように伝えられるのか? 都知事選では、都選管から、各市区町村ごとに「永田町2丁目19」などと所在地が書かれた一覧と、紙の地図によって伝えられた。選挙の経験が乏しい陣営にとっては、設置場所の全容を知ることすら困難だったという。多くの市区町村選管は場所をホームページなどで公開しておらず、有権者は直接問い合わせるか、現地に出向いて探す以外に確認方法がない。
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