「SHOGUN 将軍」西岡徳馬、自ら提案した広松の歴史的シーン 真田広之らプロデューサー陣に英語で直談判
西岡は、プロデューサーの真田、製作総指揮のジャスティン・マークス、プロデューサーの宮川と四者会談を実施し、自身の意見を英語で伝えた。「数日前から、自分の言いたいことを英語でメモして、そのメモを頼りに、ジャスティンたちの前で『広松が1人で死ぬことに意味がある』と伝えました。彼は俺の目をジーッと見つめて、最後に『OK、わかった』と言いました」
また、広松が切腹の直前に放った「今生のお別れにございまする」というセリフも西岡発案だった。「虎永の目を見た時に、『今生のお別れにございまする』というセリフを追加してほしいと言いました。『この世ではお別れだけど、私はあの世で待っていますよ、見ていますよ』という意味を込めたかったんです」 西岡いわく、真田はその提案に大賛成だったとのこと。撮影当日には、「とうとうこの日が来てしまいましたね」と西岡に声をかけ、撮影後には真田らキャストはもちろん、モニターを見つめるスタッフも涙を流していたという。「真田くんは『広松役が西岡さんでよかった』と言ってくれました。俺はあのシーンを演じるために日本から来たくらいの意気込みだったので、俳優としてもやりがいがありましたし、すごく幸せな8か月間でした」
日本の伝統である時代劇の可能性をさらに広げた「SHOGUN 将軍」。時代劇の本数が少なくなりつつある中、西岡は「もっと時代劇やりましょうよ!」と力を込めた。「いろいろな人に会う度に、『時代劇って最近見ないよね』という話をします。悪を成敗してスカッとする時代劇が爽快と感じるお年寄りの方もいらっしゃるわけです。悪役を演じていても、自分が斬られることで、日本中のどれだけの視聴者がスッキリするかという思いで演じていました。『SHOGUN 将軍』は日本人にもっと観てもらいたいし、日本の製作陣にも観てほしい。『SHOGUN 将軍』をきっかけに、時代劇がもっと増えてほしいですね」(取材・文:編集部・倉本拓弥)
「SHOGUN 将軍」はディズニープラスの「スター」にて全話独占配信中