「全社」開催地の近江で新たな発見(1)地域CL出場権をかけた「不思議な大会」で準々決勝キックオフ前に「日本一の湖」へ
蹴球放浪家・後藤健生は、サッカー取材で国内外を広く旅してきた。とはいえ、未踏の地もまだ残っている。そのひとつが、「近江の国」だ。第60回全国社会人サッカー選手権「全社」を取材しながら、琵琶湖のほとりで得た「新たな発見」とは…。 ■【画像】「どの角度から見ても完璧」堂安律の美人妻、まばゆいウエディングドレス姿と「車内密着」夫婦ショットも公開
■大学生も参加「社会人サッカー大会」
先日、第60回全国社会人サッカー選手権「全社」を観戦に行ってきました。 この大会はJリーグやJFLに加盟していない社会人チームによる大会なのですが、実際には大学生のチームも(大学連盟のリーグ戦に参加していない場合には)参加できる不思議な大会です。実質的には、JFL昇格を目指すチームのための大会で、全国9つの地域リーグで優勝できなかったチームでも、この「全社」でベスト4に入れば、JFL参入プレーオフとも言える「地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)」=昔の「地域リーグ決勝大会」)への出場権が得られるので、それが一番の目的となっています。 実際、今年はすでに四国リーグ優勝を果たしていたFC徳島以外の、ベスト4進出3チームが「地域CL」出場権を獲得しました。 その「全社」の会場は滋賀県でした。 というより、この大会は毎回、翌年の国民スポーツ大会(「国スポ」=旧国民体育大会)開催県でプレ大会として開催されるのです。大会プログラムの表紙にも「わたSHIGA輝く国スポサッカー競技リハーサル大会」と明記されていました。 スタジアムで運営に携わる地元の人たち、とくに県庁や市役所の人たちにとっては、まさに「リハーサル大会」なのです。 ちなみに「わたSHIGA輝く国スポ」というのが正式大会名です。
■最近は「さらに凝った(?)」名前に
初期の頃の国体は「近畿国体」(第1回=1946年)とか「石川国体」(第2回=1947年)といったシンプルな大会名でしたが、そのうち「若潮国体」(第28回=1973年千葉)とか「やまびこ国体」(第33回=1978年長野)といった愛称が使われるようになり、最近になると、さらに凝った(奇をてらった)名称になってきています。2022年の栃木大会は「いちご一会とちぎ国体」と、ちゃっかり特産品のイチゴをPRする大会名でした。 それにしても、「わたSHIGA輝く……」とは! お役人のセンスというのは、この程度のものなのでしょうか。 準々決勝があった大津市の皇子山陸上競技場のメインスタンドでは、中央の通路に「国スポ」の幟(のぼり)が立ち並んでいて、スタンド上段からは幟が邪魔でピッチがよく見えないという信じられない光景。サッカー大会の運営に関わったことがない人たちが考えたから、こういうことになったのでしょう。 まあ、そんなことも含めてすべてが新鮮に感じられた「全社」観戦ツアーでした。その代わり、競技場では一般観客向けの無料ドリンク配布なども行われていました(国スポは10月上旬、暑さの中の大会です)。
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