公務員の「共済貯金」ってかなり利率がいいんですか? 友人が「これで老後は安泰」といっていたのですが、どれだけお得な制度なのでしょうか…?
公務員の共済貯金制度では、銀行などの金融機関よりも利率が高く設定されています。この制度を利用できない人から見ると、公務員ばかりが恵まれているように感じることもあるでしょう。 本記事では、共済貯金のメリットとデメリットと、なぜ公務員だけがこうした制度を利用できるのかを解説します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
利率1.52%? 銀行よりずっとお得な利息の設定
公務員の共済貯金制度は、地方公務員共済組合や国家公務員共済組合が運営する制度です。組合員である公務員(常勤、非常勤とも)が、毎月の給与や賞与から天引きして積み立てをし、効率的に運用することで利益を増やし、組合員の福祉の増進を図るとされています。 共済貯金の最大のメリットはその高い利率です。例えば神奈川県市町村職員共済組合が運営する共済貯金では、年利は1.52%(令和5年4月1日現在)と設定されています。一方ネットバンクのソニー銀行では、円定期預金の年利は最大でも0.40%(預入期間10年、1万円以上100万円未満、令和6年2月22日現在)とその差は歴然です。 さらに、共済貯金は半年複利です。複利とはついた利子を元本に組み込むことで、期間が短いほど元本が増えるタイミングが増えて有利になります。ゆうちょ銀行や一部の銀行には半年複利の定期預金がありますが、多くの金融機関では1年複利で適用されています。
共済貯金のデメリットってあるの?
共済貯金には元本保証がありません。銀行などの金融機関では、万一破綻しても預金保険制度によって普通預金は1金融機関ごとに1000万円まで、決済用預金(当座預金など)は全額が保護されます。しかし共済貯金にはこうした制度はありません。共済貯金を運営する各公務員共済組合は金融機関ではなく、預金保険制度の対象外だからです。 共済組合によっては預金上限額を設定しているところもあります。例えば、前記の神奈川県市町村職員共済組合は3000万円、埼玉県では2500万円、徳島県では6000万円にしており、限度額を超える貯金はできません。また、これまで高く維持されてきた利率も近年は低下傾向にあるといわれています。 ただし、共済貯金の運用先は国債や地方債などが中心であり、破綻などのリスクは低いといえます。利率も一般の金融機関よりは依然として高いため、デメリットといえるものはあまりないように見えます。