「あの試合があったから、つかめたものがあると言えるように」カープ・髙太一が二軍で口にした『変化』への思い
新井貴浩監督2年目を迎えたカープは、レギュラーシーズンを4位で終えた。シーズン最終戦でマツダ スタジアムのマウンドに上がったのは、カープの未来を担う若鯉たちだ。ここでは、2024年シーズン最終戦でプロ初登板を果たしたドラフト2位ルーキー・髙太一の言葉を振り返っていく。 【写真】今シーズン限りでの現役引退を発表した野村祐輔 10月5日のシーズン最終戦、同期入団のドラフト3位・滝田一希のあとを受けてリリーフとして登板した高は、2回を投げて無失点の好投を見せた。 一軍昇格に向けて鍛錬を積んでいた7月、髙は二軍でプロの壁に直面した。ウエスタン・リーグ阪神戦 (●1-13、丸亀)では10失点(自責点9)を喫した。ただ、失敗を失敗では終わらせない。 「あの試合をきっかけに、これまで感覚が変わるのが怖くて変化させることができなかったことを、もう一歩、大きく踏み出してどんどん試せるようになりました」 屈辱の10失点が意識を変えた。「何をやっても、あれよりは悪くはなりませんから」と笑うが、苦い体験が髙にとって大きな契機となっていることは間違いない。 「あの試合があったから、つかめたものもある。逆にあの試合がなければ、つかめなかったものもあったと思います。もちろん、試合は負けてしまったので 『良かった』 とは言えませんが、少なくとも自分自身は、『あの経験があって良かった』と思えるようにしていかなければならないと思います」 今シーズン、二軍で14試合に登板し2勝5敗、防御率4.88。一軍昇格前、9月6日のソフトバンク戦では6回途中を投げ2失点、9月15日のオリックス戦で5回1失点、9月23日の中日戦7回1失点と、いずれも先発として結果を残してきた。 「少しずつでもアピールして、なんとか一軍に登板できるようにしたい」と意気込んでいた高は、最終戦で見事に一軍登板のチャンスをつかんでみせた。新井監督の宣言通り『変化』が訪れる来シーズン、プロ2年目を迎える左腕にかかる期待はますます大きくなるはずだ。
広島アスリートマガジン編集部