【大学野球】「監督と選手」から「監督とコーチ」の関係に 駒大苫小牧高で栄光をつかんだタッグが駒大で復活
香田監督との最大の思い出
2月1日、大学側から監督就任が正式に発表された。香田監督は1月21日から準備段階としてチームに合流していたが、本格合流後の練習初日は違う。午前8時30分のスタート前。グラウンド入口で香田監督を待つ林コーチの表情は、引き締まっていた。 「初めて紅白戦でベンチ入りしましたが、学生たちの顔、動きは明らかに違いました。香田監督の発信力。言葉にも引き付けられます」 林コーチの高校時代、香田監督との最大の思い出は、3年夏の南北海道大会だという。 「3年間、会話した記憶はあまりないんです(苦笑)。最後の夏、打撃不振だったんです。そこで、香田監督が『一番と三番、どっちが良い?』と、打順を自分に決めさせてくれたんです。一番、しんどい場面で声をかけくれました。『一番が良いです』と希望を出したんですが、以降はリラックスしてプレーすることができました。人を見て、ポイントで絶妙なアドバイス。指導者は、選手と接するタイミングが大事です。初日の練習を見た限りでも、学生への『愛情』を強く感じました」 香田監督は駒大合流から1週間あまりで、100人近い部員全員の名前と顔を覚えた。 「私はここに入ったばかりですが、学生たちは今春に向けて、動き出している。競争の中にいるグラウンドで、(名前と顔は)失礼のないようにしたい」(香田監督) 駒大苫小牧高で栄光をつかんだ2人のタッグが復活した。春のリーグ戦開幕まで約2カ月。時間は限られているが、林コーチの献身的な支えもあり、香田監督の学生掌握とチームづくりは急ピッチで進んでいる。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール