iPhone6発売直前 各キャリアの対応ネットワーク状況とは
昨年9月に発売されたiPhone5sからNTTドコモも参入し、今回のiPhone6/6Plusもソフトバンク、au、ドコモの3キャリアから発売される。各社、料金プランは定額制を発表しており、細かい違いはあるものの、差別化は難しくなっている。 一方で、通信ネットワークに関しては、違いが見え始めている。今回のiPhone6/6Plusからデバイスとして、下り最大通信速度150Mbpsに対応。iPhone5sの場合、下り最大通信速度は100Mbpsだったため、その1.5倍の速度となり、大画面化したデバイスで動画などが手軽に楽しめるようになっている。各キャリアもネットワーク強化を進めているが、その中でも一歩リードしているのがauだろう。今回、発表された通信方式には、キャリアアグリゲーション(CA)とTD-LTEの2つがある。auのみ、その2つに対応している。 ■キャリアアグリゲーションはau、ドコモが対応 CAとは、複数の異なる周波数帯域を束ねて利用することで下り最大150Mbpsの通信速度を実現する技術。これまでは、1つの帯域しか利用できず、通信速度は75Mbps程度だったが、CAは2つの帯域を同時に利用することで、150Mbpsの通信速度を実現する。 CAは3キャリアともに対応、もしくは対応を予定しているがiPhone6が発売されているタイミングで対応しているのはauのみとなる。auは今年5月からCAに対応。ドコモは2014年度中にサービス開始。ソフトバンクは2015年以降の対応になる予定だ。キャリアアグリゲーションが使える150Mbps対応の基地局数はauが現在(2014年9月時点)で10000局を設置。ドコモは、サービスインする年度内までに2000局を予定している。 ■TD-LTEは、auでは「WiMAX2+」、ソフトバンクでは「Softbank 4G」 TD-LTEは、これまでの帯域とは異なる2.5GHz帯を使った通信で、auは「WiMAX2+」、ソフトバンクは「Softbank 4G」がそれに該当する。ドコモはこの帯域でのサービスを提供していない。TD-LTEを利用した速度は、auは110Mbps、ソフトバンクは112.5Mbpsとなっている。CAとTD-LTEの2つの通信方式は、ユーザーが利用する場所で最も最適な通信方式を選択し、高速通信を実現してくれる。 現時点で最も快適な通信環境を提供しているのは、2つの通信方式に対応しているauということになる。TD-LTEを提供できていないドコモは、やや出遅れ感が否めない一方で、すでにAndroid端末で提供しているVoLTE(ボルテ)のiPhoneでの提供を調整中。VoLTEは通信による高音質の通話を実現する技術であり、すでにAndroid端末では提供実績もある。iPhone6/Plusの発売時こそ、後手に回っているが早期実現を目指し、巻き返しを図る。