なんで救急車にヘビ?出動1回で4万5000円 巳年に考える適切利用の重み
2025年は巳年。私たちの命を守る救急車に、“ヘビのマーク”を描いている自治体があります。長崎県の「県央地域広域市町村圏組合消防本部」もその一つです。マークは『スターオブライフ』と呼ばれ、世界的な救急医療の象徴として使われています。その背景には、ギリシャ神話に由来する医療のシンボルの歴史があります。 【画像】救急車の側面にある「ヘビ」ギリシャ神話にちなんでいる ■スターオブライフとは? 救急車の車体に描かれた【青い星形の中にヘビが巻きついた杖】が描かれているマーク。これは「スターオブライフ」という生命の輝きを表したマークです。 ヘビが巻き付いている杖は医学のシンボルで、「アスクレピウスの杖」と呼ばれています。 ギリシャ神話に登場するアスクレピウスは、オリンポスの神として有名なアポロンの息子の一人、医学の神で、「へびつかい座」はアスクレピオスの姿を現しています。 疫病が流行した時、【ヘビの姿で現れ市民を救った】という伝説があることから、ヘビは知恵、杖は命に例えられるようになったとされています。 このマークは世界保健機構(WHO)のシンボルマークにも採用されており、日本でも救急車の車体に描かれるようになりました。 ■6本の柱の意味 スターオブライフには6本の柱があり、それぞれ救急医療の流れを表しています。 ・覚知(Detection):傷病を発見 ・通報(Reporting):救急車を要請 ・出場(Response):現場へ出動 ・現場手当(On Scene Care):応急処置 ・搬送中手当(Care In Transit):移送中の処置 ・医療機関への引渡し(Transfer to Definitive Care):病院への引き渡し ヘビは古来より、脱皮することから「再生」や「復活」の象徴とされ世界各地で医療と結びつけられてきました。 救急車の「スターオブライフ」に描かれたヘビも、人々の健康と命を守る医療の象徴として、今日も街を走り続けています。 ■増加する出動件数 2023年、救急車の出動件数は過去最多を記録しました。