クジラ肉消費低迷しているのになぜ? 75億円かけ国産捕鯨母船を新造 「重要な国産食料の1つだ」「反対国は非科学的な主張をする」
水産庁のまとめ(2023年1月時点)によると、IWC加盟国のうち、捕鯨容認もしくは持続的利用支持なのは、アイスランド、ノルウェー、ロシア(欧州は3カ国のみ)、中国、モンゴル、カンボジア、ガーナなど38カ国、一方の反捕鯨はイタリア、英国、スペイン、ドイツ、米国、豪州、韓国、インド、メキシコ、ブラジルなどの50カ国。反捕鯨の理由としては、主に「資源量が減っている」「絶滅の恐れがある」「賢く神聖な生き物である」「捕獲方法が残酷」などが挙げられている。
そんなIWCは現在、財政難に悩んでいる。1982年に商業捕鯨の一時停止を採択したことから、潮目が変わった。日本は商業捕鯨再開を求めてきたが、欧米やオーストラリア、ニュージーランドなどが反対したことで、2019年に日本脱退に至った。その後、本部ビル売却の意向が示され、支出カットや一部加盟国の分担金引き上げも行われている。 IWCはクジラの資源管理をする国際機関だが、江島氏曰く「いろいろな国が、出たり入ったりする団体」といい、「ノルウェーも商業捕鯨をやっているが、捕鯨モラトリアム(商業捕鯨の停止)で脱退し、その後また参加した。アイスランドも同様だ。将来IWCの考えが変わったり、歩調が合ったりなどがあれば、再加盟も十分あり得る」との見方を示す。
水産庁「捕鯨を取り巻く全体状況について」によると、鯨肉の消費量は1960年に15.4万トンで、一時は20万トンを超える年もあったが、1960年代後半から右肩下がりとなり、1988年の商業捕鯨停止を経て、2021年には1000トンに。 江島氏は、そうした状況でもクジラを大事にするのは「国産の食料だから」と話す。「例えば、サーモンや鶏肉、牛肉はほとんどが輸入。しかし、いつまでも入ってくる保証は全くない。可能な限り、我々の手で食料を確保することが大事。クジラはその重要なひとつだ」とした。(『ABEMA Prime』より)