シュローダーヘッズ「生まれ育った名古屋盛り上げ愛されたい」
佐野元春やPUFFYなどのサポートキーボーディスト
佐野元春や柴咲コウ、降谷建志、PUFFYなど数多くの著名なミュージシャンのサポートキーボーディストとして活躍する、渡辺シュンスケのソロプロジェクト・Schroeder-Headz(シュローダーヘッズ)。心地よいピアノのメロディをインストゥルメンタルで届けてくれる彼は、名古屋市名東区の出身だ。ニューアルバムとツアーについて、地元・名古屋への想いも交えて聞いた。
今の時代だからできる音楽のカタチ
ピアノとベースとドラムによる、トリオサウンドによって作られるのがシュローダーヘッズの曲。歌のないインストゥルメンタルで、ジャズにカテゴライズされることが多い。1月に発売されたサードアルバム『特異点』では、ベースをアナログシンセサイザーで演奏している。 「毎回いろんなことをちょっとずつ試すんですけど、今回はいままで生演奏だったベースを、アナログシンセサイザーで演奏しました。ちょっと未来的な面白いサウンドが作れたっていう手ごたえがあります」。 アルバムタイトルの特異点とは、宇宙のブラックホールの中心に存在する点。物理の理論が適応できないらしく、多くの科学者がその謎を解明するために躍起になっているという。今回アナログシンセサイザーを採用したことにはつながりがあるようだ。 「ピアノの生演奏に対して、レコーディングやライブでもプログラミングした音を融合させたり、逆に生演奏した音を後からエディットしたりもします。アナログシンセサイザーを使うことのように、テクノロジーの進化を生演奏に取り入れて、今の時代だからできる音楽の形を常に探っています。それがアルバムタイトルのイメージにつながるんです」
“人間vs.機械”ではないが、感覚的なものと理論的なものをうまく一つにすることが理想形なのだと語る。「人間が実際に生で演奏した音楽と、プログラミングで作った音楽には違いがある。そういうところが僕は好きなんですよね。そしてそれを一つにして、“おいしいとこどり”できないかなっていう気持ちです」。 さきほどから出てくる“アナログシンセサイザー”とは?デジタルとはどう違うのだろうか? 「そもそもシンセサイザーは機械で音を出しているので『デジタル』なんですけど…デジタルっていうのは…あーこれ難しい! 説明できません(笑)。ただ、違うんですよ、こだわると。大きな音で聴くとよくわかるんです。デジタルはライブ会場などで流すとスカスカとした印象ですが、アナログは大きな音にしてもうるさくなく、すごく気持ちいい。感覚的ですが、音に温かみがあります」