【BCマイル】テンハッピーローズ11番枠「チャレンジャー」津村明秀騎手ジャイアントキリング再現だ
◆第41回ブリーダーズカップマイル(現地時間11月2日、米国・デルマー競馬場・芝1600メートル) 【データで見る】テンハッピーローズの血統、戦績 ブリーダーズカップの枠順抽選会が現地時間28日、行われた。12頭立てのBCマイル(日本時間3日朝8時45分発走)は、テンハッピーローズが11番枠に決まった。ヴィクトリアマイルでともにG1初制覇を飾った津村明秀騎手(38)=美浦・フリー=がタッグ継続で海外初挑戦。単勝2万円超の14番人気だったパートナーと米国でも激走を狙う。 気負いも不安もなかった。テンハッピーローズでBCマイルに挑戦する津村は、自身も海外初騎乗となるが、「楽しみしかないですね。人も馬も完全にチャレンジャーなので。僕とテンハッピーローズの競馬をするだけです」と素直な心境を口にした。 前哨戦のセントウルSは7着だったが、鞍上は確かな手応えを感じていた。「アメリカのレースだからペースが速くなるだろうということで、慣れさせる意味で1200メートルの重賞を選択した形でしたが、ゲートを出て馬なりで中団につけられたし、やっぱりいいスピードがあるなと。仕掛けてからの反応はまだ本来のものではありませんでしたが、最後の残り100メートルくらいでまた伸びてきたので『これなら』という感じでした」。単勝14番人気でヴィクトリアマイルを制して大波乱を演出したが、今回も現地の下馬評は低め。ジャイアントキリングの再現を虎視たんたんと狙っていた。 中間の調整は順調という報告を受けており、自身も過去のレース映像などで研究を続けてきた。「G1を勝った東京の1600メートルとはガラッと変わる感じはしています。日本の地方競馬のようなコーナリングなので、いかにコースロスなく、かといって内で詰まってしまうようなタイトさもあるので、そのあたりは臨機応変さが必要。枠順も影響するし、ライバルの状況も把握しておかないと」。 悲願のG1制覇から半年近くが経ち、自身の変化を感じている。「秋華賞(ミアネーロ=6着)のレース前に『すごくいい雰囲気でいけてるな』と感じたんです。もし勝っていなかったら、もっと緊張していたはず。馬にも余裕をもって接していられたし、やっぱりひとつ勝てたというのは大きいと思っています」。キャリア21年目でG1ジョッキーの仲間入りを果たし、さらに進化を続ける津村の新たな戦いがもうすぐ始まる。(西山 智昭) ◆津村 明秀(つむら・あきひで)1986年1月5日生まれ。千葉県出身。38歳。04年に騎手免許を取得し、同年3月21日に初勝利。06年のラジオNIKKEI賞(タマモサポート)で重賞初制覇。JRA通算674勝。重賞はG11勝を含む18勝。家族は妻と2男。大のサッカーファン。
報知新聞社