19年ぶり公式戦は膝故障で完敗のマイク・タイソン「それは分からねえ」ラストマッチ否定
<プロボクシング公式戦:ヘビー級8回戦>◇15日(日本時間16日)◇米テキサス州アーリントン・AT&Tスタジアム 元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(58=米国)が約19年ぶりの「公式戦」で敗れた。登録者数2080万人を誇る人気ユーチューバーでプロボクサーのジェイク・ポール(27=米国)とのヘビー級8回戦(1ラウンド2分、グローブは14オンス、公式戦扱い)に臨み、0-3(72-80、73-79×2)の判定負けを喫した。 会場には約7万人の観衆がつめかけた。両者合わせた賞金(ファイトマネー含む)が8000万ドル(約124億円)にのぼると報じられた「ビッグファイト」だった。 1、2回は左ジャブ、左フックを軸に前に出たタイソンだったが、3回以降はスタミナ消耗が明らか。足を使いながら左ジャブ、左フック、右ボディーストレートをヒットさせたポールを追う体力は残っておらず、判定負けを喫した。 タイソンにとって20年11月、元世界4階級制覇王者ロイ・ジョーンズJr.(米国)とのエキシビションマッチ以来、約4年ぶりのリング。そして引退試合の05年6月のケビン・マクブライド(米国)戦以来、約19年ぶりの公式戦となった。58歳。5月に予定されていたカードだったが、自身の体調不良で延期されていた。 これがラストマッチなのかと問われたタイソンは「それは分からねえ」と返答。即座に「ジェイクのブラザーとやるよ」と敵セコンドにいたポールの兄で同じく人気ユーチューバー&格闘家として活動するローガンを指名。ローガンから「マイクをやっちゃうけどいいの?」と笑いから返答されると、タイソンは不敵な笑みを浮かべた。 ポールから「予想通り、大変な試合だった。彼は史上もっとも偉大なレジェンドの1人なんだ」と絶賛されたものの、タイソンは「そういわれるのはうれしいが…。私は戦うために来たんだ。誰にも何も証明することはできなかった。自分ができたことに満足しているだけだ。膝のケガはしたが、言い訳はできないな」と厳しく自己評価していた。