広島・九里「初回から思い切って」ガッチリ6勝目 きっちり3犠打 余力すら感じさせる98球
「ヤクルト2-8広島」(18日、神宮球場) 帳尻合わせなんて考えはなかった。額に汗がにじむ熱気漂うマウンドで広島・九里亜蓮投手が魅せた。6回4安打1失点の好投。「前回は3回で代わっていたけど、長い回をというよりも、アウトを一つずつ取れるように初回から思い切っていった」。いつもの全力投球で6勝目をつかんだ。 序盤から果敢に内角を攻めた。初回2死では首位打者のサンタナに、初球から内角に3球続けて追い込み、最後は外角直球で見逃し三振。二回先頭では村上に左中間への一発を被弾したが精神面で余裕があった。「初回から点をとってもらえて気持ちも楽に投げられた」。真骨頂でもある闘志がむき出しになる場面は最後までなく、序盤から飛ばしながらも余力すら感じさせる98球だった。 前回、11日の阪神戦では今季自己最短の3回2失点で降板し、7敗目を喫していた。雪辱へ、今回の登板間では通常1度のブルペン投球を2度行うなどして、精力的な投げ込みを敢行。今年の開幕投手も務めた右腕は「チームの勝ちに貢献できた試合をもっともっと増やしていかないといけない」と強い責任感を表に出した。 この日は自身初の1試合3犠打を決め、攻撃でも流れを呼び込む活躍も見せた。前回登板では犠打を失敗。それだけに「決められて良かった」と笑顔を見せた。これから待ち構えるのは、優勝争いのひりつくマウンド。経験豊富な鉄腕の存在感は勝負どころで増していく。