プラスサイズモデルのアシュリー・グラハム、ファッション業界の実態を語る「大きな体の人に服を作りたがらないブランドはまだ存在する」
プラスサイズモデルの先駆け、アシュリー・グラハム。先週末、クロエ・カーダシアンと実業家エマ・グリードのデニムブランド「グッドアメリカン」のトークイベントに出演、今のファッション業界の問題点を指摘した。 【動画】元祖プラスサイズモデル、アシュリー・グラハムのモーニングルーティーン
アメリカのエンタメ界では多様性や包括性の大切さが日本よりも早く指摘され、改革が進められてきた。ファッション界でも各ブランドが服のサイズや起用するモデルを多様化させどんな体型の人も受け入れるようになってきたと言われているが、アシュリーは異議を唱えている。「ランウェイを見てもあまり変わっていない」「デザイナーを見ると多種多様な体型に向けて作っている人もいるけれど、それが標準にはなっていない」と語った。雑誌『ピープル』が報じている。
プラスサイズモデルとして支持を獲得、大活躍しているアシュリーだが、彼女にアワードやイベント用のドレスを提供しない、作らないと公言するブランドはまだ存在するという。「『ごめんなさい、でも体が大きな人のためにデザインするつもりはない』と言うデザイナーは今もいる」とアシュリー。「ある意味で状況は大きく変わったけれど、ある意味では完全に止まってしまっている。だからこそ私は自分の体について話したり、より大きなサイズの人たちに服を着せたりすることをやめるつもりはない」。
アシュリーは新しいブランドのデザイナーたちは彼女のために服を進んで作ってくれることを明かしつつ「プラスサイズ用の服を作るにはお金がかかる」と指摘する。理由の1つは生地がかかるから。そのためアシュリーはお金はないけれどアシュリーのために服を作りたいというキャリアの浅いデザイナーがいた場合、余分にかかる生地代を自分で負担しているという。「それは決して否定的なことではない。でも社会は今もそのような状況だっていうこと」。生地の値段の決め方など業界のインフラストラクチャーの大部分が「プラスサイズの女性に対応できるように整備されていない」と語る。
アシュリーはサイズ12(日本の15号から17号)以上の服を作らないアメリカのブランドはビジネスチャンスを逃していると語っている。イベントに同席していたグリードは自分たちのブランドの理念は「サイズや体型に関係なくすべての体に快適にフィットする服を提供すること」だと語っている。それが世界の標準になることを願いたい。