米アマゾンの一部労組、交渉応じない場合のスト承認 クリスマス前に実施も
Greg Bensinger [18日 ロイター] - 米最大級労働組合の国際チームスターズ同胞団に加盟する東部ニューヨーク市、カリフォルニア州南部、中西部イリノイ州スコーキーのアマゾン・ドット・コム組合員はこの数日間、会社側が労使交渉に応じない場合にはストライキを実施することを投票で承認した。南部アトランタと西部サンフランシスコのアマゾン施設で働く組合員も18日、ストに賛成したと発表した。 クリスマスを控えてかき入れ時を迎えている中、アマゾンの数千人の従業員がストに突入する可能性も出ている。ただ、アマゾンは全米に点在する約1000カ所の倉庫で計70万人を超える従業員を抱えているため、ストによってアマゾンの商品配達などの業務が全面的に止まる可能性は低い。 アマゾンの米国にある10施設で働く約1万人の労働者を代表していると主張するチームスターズは、12月15日を期限に設定した労使契約締結に向けた交渉をアマゾンが無視していると主張している。 専門家からは、アマゾンは労組との交渉に応じればさらに労組結成が進む可能性があるため、チームスターズとの面会や交渉には応じないとの見方が出ている。 ハーバード大法科大学院のベンジャミン・サックス教授(労働・産業)は「アマゾンは明らかに、労働者の団体交渉権を無視する戦略を展開している」と言及。2年超前にニューヨーク州のスタテン島のアマゾン倉庫で同社最初の労組が結成されて以来、会社側は依然として労組を認めていないと指摘した。 アマゾンの広報担当者は、コメントの要請にすぐには応じなかった。