家庭用氷製造機の販売急増、中国全土で人気
【東方新報】夏の気温の急上昇に伴い、中国では家庭用氷製造機が急速に売り上げを伸ばしており、家族、オフィスワーカー、大学生などがアイスドリンクを楽しむ習慣が広がっていると市場関係者は観察している。 自家製の氷を使った飲み物で夏の暑さを乗り切るというアイデアが急速に普及しており、アイスアメリカーノ、アイスコーラ、アイスビールなどが今季の人気飲料として浮上している。 6月1日から7月10日の間に、阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)の電子商取引プラットフォーム「天猫(Tmall)」での氷製造機の売上が前年同期比315パーセント増となった。小型で持ち運びができ、家庭やオフィス、パーティーや集まりの場などでの使用に最適な氷製造機は、テーブルやデスクに置いても場所を取らず、価格は200元(約4221円)から600元(約1万2663円)の範囲で販売されており、6~8分で氷を作り出すことができる。自動セルフクリーニング機能が消費者に人気があり、市場関係者によると、この機能も人気を集めている。 「飲み物のデリバリー注文には時間とお金がかかる。若い中国人消費者の間では氷製造機を購入し、自分でアイスドリンクを作ることが好まれるようになっている。氷製造機の売上は2年連続で増加している」と、天猫の家庭用氷製造機部門ディレクターは述べた。また、氷を特定の飲み物に加えることが一般的になってきたため、中国での氷製造機の売上は特に夏に急速に増加しているという。 過去には、中国における氷製造業は主に商業プレーヤーの需要に支えられていたが、現在では家庭用氷製造機の売上が市場シェアの76パーセント以上を占めている。今後さらに増加が予想されていると、広東省(Guangdong)の深セン市(Shenzhen)に拠点を置くコンサルティング会社「中国業界研究網(China IRN)」は報告している。 コカ・コーラ中国(Coca-Cola China)のディストリビューターは、氷製造機、扇風機、ミニ冷蔵庫などの小型家電製品が中国の消費者に非常に人気があると述べている。 今年の夏、同社は最大で3万台の氷製造機を販売し、そのうち約80パーセントは電子商取引プラットフォームから、残りは会員制スーパーマーケット「サムズクラブ(Sam's Club)」や「盒馬鮮生(Hema Xiansheng)」などのスーパーマーケットチェーンからの販売であると、コカ・コーラ中国は述べている。 「新型コロナウイルスパンデミック以来、中国の消費者の消費習慣がある程度変化している。今年は氷製造機の売上が大幅に増加しており、これは気温の上昇と関連している」と、コカ・コーラ中国のディストリビューターの小型家電担当ジェネラルマネージャーは述べている。 氷製造機を購入する中国人消費者の大部分は、夏の気温が35~40度以上に達する広東省、浙江省(Zhejiang)、上海市出身であるという。35歳以上の消費者が家庭用氷製造機の主要な購入者層であり、若年層や大学生はオンラインでソフトドリンクを購入して自宅や宿舎に配達させる傾向がある。一部の親は、自家製の飲み物が健康に良いと考え、子供のためにスムージーを作るために氷製造機を購入することを好んでいる。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。