「Project Morpheus」体験会 イベントリポート
■The London Heist - Getaway
次にSCE London Studio開発の「The London Heist - Getaway」。場所は高速道路を走る車中、スキンヘッドのいかつい男性を横に、筆者は助手席に座っている状況からスタートする。どうやらギャングから逃走中のようだ。 最初は何事もなかったかのように男性が話かけてくるのだが、突然、後ろから追いかけてきたギャングたちに襲撃され、銃撃戦が始まる。次々現れるギャングたちを銃で撃ちまくるガンシューティングゲームで、両手に持ったスティックを使い、銃をコントロールする。弾が切れたら自らの手でマガジンを交換する。周囲を見渡して敵を探し、再び撃ちまくるといった内容だ。 VRでなければ味わえない臨場感ある体験で、はじめは椅子の背もたれに寄りかかっていた筆者だったが、いつのまにか前のめりに姿勢を変え、両手をフルに動かし、すっかり没入していた。
■THE PLAYROOM VR(Monster Escape)
最後にSCE JAPAN Studioが開発した「THE PLAYROOM VR(Monster Escape)」。場面は四方八方に愛らしい小型ロボットたちが遊びまわっている世界。PS4側のカメラセンサーにより、筆者の頭の位置情報を完ぺきに追従しているため、本当にその世界に入り込んだ感覚に陥る。目の前にいる小型ロボットに頭を近づけのぞき込むと慌てて逃げ出したり、背後にいる小型ロボットの方に振り向くと、こちらにリアクションをしてくれたり、筆者の動きに応じて異なる反応をする。まるで小型ロボットが感情を持っているかのようなのだ。 ここから場面が一度変わり、ゲーム本番に突入するのだが、Morpheusを装着した「怪獣」となるプレイヤー(筆者)と、この怪獣から逃げながら反撃する4人の小型ロボット陣営(SCEスタッフの方)に分かれて対戦するのである。 怪獣役となった筆者はひたすら頭部を動かし、建物や看板、飛んでいるヘリコプターなどに頭突きをしながら街を破壊したり、小型ロボットが投げてくるものを避けたりするだけのシンプルなもの。ここまでは通常のVRと変わらない。 しかし、ここで注目すべきは、このMorpheusには2つの視点を可能にする「ソーシャルスクリーン」という機能があることだ。筆者はMorpheusを装着しているので、怪獣側の専用視点が与えられていて、その映像をスクリーンに映し出すことができる。さらに、SCEスタッフがコントロールする小型ボット側の視点もスクリーンに映し出すことができ、それを見ながら操作ができるのだ。どうしても視界を閉ざされるため孤独な体験になりがちなVRもこの技術とプレイスタイルにより、複数人で体験を共有することができ、VRの大きな弱点を克服した「みんなで遊べるVR」になっている。