97歳料理家、タミ先生が70年かけて培った出汁巻き卵のつくり方。珍しいレシピを試すよりも、基本のおかずを自分好みにつくること
94歳まで約60年間「桧山タミ料理塾」で延べ1000人以上の生徒に料理を教えてきたタミ先生。無理せず自然体で過ごすことを大切に、「がんばらない台所」を伝え続けてきました。銅の玉子焼き器はタミ先生が愛用してきた調理道具の一つ。今回は、子どもから大人まで、思わず幸せそうな顔になる出汁巻き卵のレシピを紹介します。 【写真】出汁巻き卵を巻きすの上に乗せて形を仕上げる * * * * * * * ◆幸せそうな顔になる卵焼き 出汁巻き、薄焼き、伊達巻きも。この銅の玉子焼き器でたくさん焼いて、もう70年です。銅製は火まわりがいいので、火加減のコツがわかってくると、卵焼きがおいしくつくれます。 出汁巻きは、卵液をつけた箸先がジューッといい音がするまで温めてから焼き始めます。そして、やや強めの火加減で素早く焼いて巻くと、ふんわりできます。 薄焼き卵になると、もっと手早さが大事です。温度が高過ぎると焦げたり破けたり、ノロノロしていると卵液が広がりません。でも、うまく焼けないことがあっても大丈夫。何度か焼いていたら、必ず上手になるので練習のし甲斐がありますよ。 卵焼きがおかずにあると、大人も子供も幸せそうな顔になるでしょう。 珍しいレシピをあれこれ試す前に、みんなが好きな基本のおかずを自分好みにつくれるようになると、料理がもっと楽しくなるはずですよ。
◆出汁巻き卵のつくり方 ●材料(つくりやすい分量) 卵……3個 A[鰹節の出汁……大さじ3、砂糖……大さじ1、塩……ひとつまみ] *出汁の量は、大さじ3~卵液の半量弱まで入れてOK。 油……適量 ●つくり方 1.ボウルに卵を割り入れ、Aを加える。 2.箸先をボウルの底につけながら、切るように攪拌(かくはん)する。 3.玉子焼き器を強めの中火にかけ、温まったら油を引く。卵液の1/3量を流し入れ、奥から手前に巻く。 4.つど油を引きながら卵液を4~5回に分けて入れ、奥から手前に巻きながら焼き上げる。 *焼く途中で油を引くため、油を染み込ませたサラシ(ペーパー)があると、適量の油をさっと引けます。 ※本稿は、『97歳 料理家 タミ先生の台所おさらい帖』(文藝春秋)の一部を再編集したものです
桧山タミ
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