<サッカー日本代表>本田と香川 代表で蘇ったか
■キーマンは裏を狙う岡崎 本田と香川を中心にテンポ良くパスがつながり、面白いようにゴールを挙げた前半とは打って変わり、後半は良い形でシュートに結びつくシーンが減ってしまった。その要因はどこにあったのか。長友佑都はこのように分析する。「(岡崎)慎司がいなくなったことで、裏に飛び出す選手がいなくなってしまった。足元で受ける選手と、裏に抜ける選手のバランスが重要だと思う」。 前半、香川と逆サイドに位置する岡崎は、右サイドからナナメに走り込む動きで、再三ニュージーランドのDFラインの裏をとり続けた。前半4分の1点目も香川のスルーパスに岡崎が飛び出して決めたものだ。岡崎が常に裏を狙ってくるので、ニュージーランドのDFラインは押し上げられない。それにより、2列目の本田と香川が前を向いてプレーしやすくなり、技術とアイデアを最大限に発揮できる。 華麗なボールコントロールや、ワンツーを繰り返すようなことはできないが、岡崎は日本のストロングポイントである本田と香川のコンビネーションを引き出し、それをゴールに結びつけることができる。本田と香川と並び、日本のキーマンといっていいだろう。 後半から岡崎に代わって入った清武弘嗣は裏に飛び出すよりも、足元でパスを受けるのを得意とする。岡崎よりも清武のほうが技術は高いが、「うまい選手」をたくさん並べればパスが回るというわけではない。岡崎がいなくなり、裏への飛び出しが少なくなったことで、ニュージーランドのDFラインは前半に比べて5メールぐらい高くなった。DFラインが高い位置を保てば、中盤、前線の距離が縮まったコンパクトな状態になる。本田や香川が前半ほど自由にプレーできなくなったのは、そこに要因がある。 ■香川にPKを譲った本田の意図 前半10分、香川がドリブルで仕掛けて倒されて、PKを獲得した場面では、普段はキッカーを務める本田が香川に譲るというシーンがあった。この意図について本田は「あのシーンに関しては(香川)真司のほうがオレよりも蹴りたい気持ちが勝っていたから」だと語っている。