【トライアスロン】パリ五輪代表の高橋侑子2連覇「納得いくまで」引退考えた33歳が再スタート
<日本トライアスロン選手権(女子)>◇17日◇東京・お台場 女子はパリオリンピック(五輪)代表の高橋侑子(33=相互物産)が、2時間0分3秒で2連覇を果たした。 第1種目のスイムから大きなリード。2位に16秒差をつけて2種目目のバイクをスタートさせた。6周目で1度は後続集団に追いつかれながらも、「そんな簡単に逃げさせてもらえないな。悔しい反面うれしかった」とギアをアップ。最終種目の得意のランで一気に抜け出すと、2位に1分24秒差をつけてゴールテープを切った。16度目の出場で、連覇は2度目。「優勝は最低限の目標。そんな中で自分自身の感覚としてもまだできるなっていう気持ちになれた」と白い歯をこぼした。 2度目となった今夏の五輪は個人40位に終わり、モチベーションの低下にさいなまれた。「正直、そんな思いになると思っていなかった」と一時は引退も考え、ポルトガル出身のパウロ・ソウザ・コーチに思いを伝えたほどだった。だが、まだ体は動く。「今すぐ決めなくてもいい。選手をやりながらでもできることはある」というコーチの言葉や、同門の仲間たちの活躍に刺激を受けたこともあり、「納得いくまでやりきりたい」と、再びスイッチが入った。 今は、2年後のアジア大会や28年ロサンゼルス五輪は頭にない。それでも「少しずつ目の前のことをやっていたら何かが見えてくるんじゃないか」と前向きだ。日本のトップを走り続ける33歳。「終わりは決めずにやっていきたい」と、新たなスタートを切った。【勝部晃多】