2024-25年秋冬メンズコレ取材24時Vol.1 「グッチ」メンズ新章の衝撃を“ある意味”上回ったブランドとは
16:30 「ブルネロ クチネリ」
次は、業界内でおいしい料理を用意してくれることで有名な、「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」のプレゼンテーションに参加しました。目的はイタリア産の生ハムがたっぷり挟まったサンドイッチ……ではなく、超エレガントなコレクションです。“魂の叫び(A Free Soul Call)”と題した今季は、イタリアのサルトリアとカントリームードを融合させながら、“アメリカン・ジゴロ”のように色気も放ちます。
それを象徴するのが、デニムのシャツにペイズリーを描いたネクタイと、軽量なウールのスーツセットアップにコーデュロイのトレンチコートを合わせたルック。白とベージュ、ライトグレーのワントーンコーディネートは、さまざまな表情を持つ異素材の質感で深みを与える、粋なスタイリングに目を引かれました。カシミヤやフランネル、シープスキンの柔らかな質感がワントーンにまとめることでそれぞれに際立ち、触れずにはいられません。クラシックとカジュアルを交差させたスタイルに、ペイズリーの異国情緒ある要素をスパイスとしてさりげなく効かせているのも今季の特徴です。
また、21年から協業するイタリアのアイウエアメーカー「エシロール ルックスオティカ(ESSILOR LUXOTTICA)」と10年の独占ライセンス契約を昨年11月に交わしたことで、アイウエアのラインアップもぐっと広がりました。アセテート製のフレームから日本製チタンの超軽量シルエット、さらに鼻パッドや丁番に刻印を施すという、着用者だけが認識できる細部まで緻密にデザインされたラグジュアリーなサングラスとメガネが並んでいました。価格帯はややアップして10~20万円台で販売予定とのこと。最後にサンドイッチをほおばってお腹を満たしたところで、次の会場へと向かいます。
18:00 「ストーンアイランド」
「ブルネロ クチネリ」のほぐれたクラシックスタイルの次は、硬派な「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」に向かいました。ミラノ・メンズ・ファッション・ウイークでのプレゼンテーション形式の発表は初めてです。モンクレール傘下となり、今後は直営ビジネス強化の一環として、鋭いイメージを強調するための施策なのでしょう。会場に入ると、インダストリアルな巨大セットの上に、50人を超えるモデルがズラリとスタンバイしています。各モデルをよく見ると、落下を防ぐために腰の辺りをロープでセットでつながれているではありませんか。イメージづくりが上手いブランドなだけに、何が始まるのだろうと期待感が高まります。