食塩を代用すると高血圧リスクが40%低下する可能性! 研究で明らかに
※この記事は、海外のサイト『Prevention』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
食卓塩をテーブルから撤去するときが来たかもしれない。最新の研究で、食塩を代替塩に置き換えると高血圧のリスクが効果的に軽減され、心臓の健康が向上する可能性が示された。
医学誌『ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・カレッジ・オブ・カーディオロジー』に掲載された研究では、通常の食卓塩をカリウムが豊富な代替塩に置き換えることで、血圧にどのような影響が出るかを調査。この研究は、これまで高血圧を患ったことのない中国人の成人600人以上を対象に行われた。研究者らは、参加者の半数に通常の食塩を、残りの半数に代替塩を割り当てた。
一般的な食塩は、そのほぼすべてが塩化ナトリウムから成る。これに対し、研究で使用された代替塩の塩化ナトリウム含有量は食塩の3分の2程度。またこの代替塩は、血圧を上昇させない塩化カリウムを25%含むことが研究で記されている。
調査をはじめて2年後、研究者らは、代替塩を使うグループが通常の食塩を使うグループに比べて高血圧症を発症する可能性が40%低いことを発見した。代替塩を使った人々には、低血圧の症状の発現や低血圧症のリスク増加はみられなかったという。これらの発見は、食事に代替塩を取り入れることで、低血圧などの追加の健康リスクを引き起こすことなく、高血圧症や心血管疾患の発症リスクを低減できる可能性を示唆している。 代替塩を使う目的は、懸念される塩の成分(ナトリウム)を別のミネラル(カリウム)に置き換えることで、見た目も味も食塩のままリスクを軽減し塩分摂取量を減らすことです、と説明するのはノースウェスタン医科大学フェインバーグ医科大学院の心血管疫学教授で、米心臓協会主催の「ゴー・レッド・フォー・ウィメン」のボランティアでもあるサディヤ・S・カーン医学博士。「塩分は心臓の健康状態を悪化させ、高血圧症のリスクを高める要因であることから、これは非常に重要です」と彼女は指摘する。