「家族」「社長」鉄の結束、細かい役割分担 捜査3課vs「韓国人武装すり団」の戦い㊦ 警視庁150年
16年ごろには捜査の協力体制について合意が固まっていたとされる。防犯カメラ画像や指名手配情報、すり師の渡航情報などを共有するほか、日本国内で逮捕状が出された容疑者の行動確認を韓国警察が行うなどの方針も決まっていたという。
14年に発効された日韓犯罪人引渡条約もあいまって、連携は結実する。19年には大阪府警・警視庁などの共同捜査本部が追っていた男が、条約に基づいて韓国から引き渡された。男は日本で逮捕状が出され、韓国警察が身柄を拘束していた。19年を境にすり団の犯行は急減。以来、散発的なものを除き、目立った被害はなくなった。
「『韓国へ帰っても逃げ場はない』と知らしめることができた」。警察幹部は、捜査員らの苦闘をこう振り返った。(内田優作)